第六章 新たな出会い
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バレンタインから約1年半経ち季節は秋。
紅葉と銀杏の葉がそこら中の道を綺麗に彩る。
落ち葉のカサカサと言う音が人が歩く度に鳴る
そんな季節。
4月になると万理は正月の宣言通りに上京していった。
しかし、周りにそれほど変化はなかった。
なぜなら、千は学校は大丈夫なのか?と奏が心配になるくらいの頻度で、万理の家に泊まりに行っていたからだ。
奏が万理の新しく借りた部屋にお邪魔した時、初めて彼の部屋に行った時と同じように当たり前のように千がいたのを見て、前と変わらない光景に思わず笑ってしまったのもいい思い出である。
今年には奏と千も高校を卒業し、前よりも3人でといることが増えていた。
奏は宣言通り大学には行かず、短期バイトでお世話になっていたあのカフェでバイトをしながらRe:valeの活動に精を出していた。
友人の葵は奏とは違い、音楽大学へ進学したが、バイト先は変わらなかったため、変わらず付き合いがある。
そして、Re:valeの活動拠点は雅季のライブハウスでは無くなり、都内のライブハウスに変わっていた。
今日は万理の家で今度行う3周年ライブの打ち合わせの予定だったのだが…
「ったく…なんで近場で借りないのよ…」
先日、万理がレンタルショップで借りてきた最近巷で話題のDVDの鑑賞会を奏の家でやったのだが、そのDVDを奏の家に置いてきてしまい、更にはレンタルの期日は今日まで。
そのレンタルショップは万理と奏の最寄駅の中間にある駅にあるらしく、来る時についでに返してきて欲しいと頼まれたのだ。
そのため、奏は目的の駅で降り、愚痴を吐きながらマップアプリ通りに歩いたのだが…
「ここら辺のはずなんだけど…」
初めて行く場所かつ、同じようなビルが並ぶ街。
住所的に建物内のショップらしいが、その建物が分からずに少し辺りをキョロキョロしていると不意に声をかけられた。
「あの!トキさん、ですよね?」
「え?」
奏が声の聞こえた方を振り向けば、そこにいたのはスポーティーな格好をした黒髪の男の子だった。
(ファンの人?でも、見たことない…)
ライブに来るのはやはり女性ファンが多く、珍しい男性のファンの顔を奏は大体覚えていた。
しかし、今、目の前にいる男の子は見たことが無かった。
少し不思議に思いながら奏は男の子に問いかけた。
「どうして、私の名前…」
「えっと、ね、姉ちゃんがRe:valeのファンなので!あ、怪しい者じゃないです!」
奏を知っていることで、不審者として通報されるとでも思ったのかあたふたしながら話す男の子。
その慌てようがなんだか可愛くて奏はふふっ。と笑った。
「貴方、可愛いね」
「か、かわっ?!」
奏の言葉に男の子の顔はりんごの様に真っ赤になった。
「それで、私に何か?」
「あ!そうでした!キョロキョロしていたから何か困ったことがあったのかな?って思って。オレ、ここが地元なんで大抵のことには答えられますからオレで良ければ力になりますよ!」
奏の言葉にハッとすると、さっきのあたふたした雰囲気はどこに行ったのか、男の子は笑顔で言った。
「優しいんだね」
「いえいえ!困っている人がいるなら助けるのは当たり前ですから!」
奏の言葉に男の子は照れ臭そうに笑った。