第六章 新たな出会い
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CDができて数日後
無事にアイドルのRe:valeとしての1発目のライブは大盛況のうちに終了した。
新曲の公開に観客の盛り上がりはすごいものだった。
曲によって楽器を変える奏に観客はかなり驚いていたが奏の耳には批判の声はあまり聞こえなかった。
その後、Re:valeはますます知名度を上げていった。
それと同時に万理は元から手がけていたRe:valeの運営に更に力を入れるようになり、奏は千に万理が作曲の手伝いをしてくれないと何度も愚痴られてた。
…何回言われたのか、奏自身覚えていられないほどには多かった。
万理の代わりに奏は積極的に千の作曲を手伝うようになった。
クリスマスにはクリスマスライブを企画し、行い、それと同時に千の誕生日が過ぎ、大晦日と共に奏の誕生日が来る。
万理、そしてあまりまめではない千からも珍しく誕生日おめでとうとメールが来たことに驚いたことは奏の記憶に新しい。
天と陸からはお昼頃に電話があり、お祝いの言葉を貰った。
奏は年末年始は久々に実家に帰り、楓と雅季と家族揃って過ごすことになった。
別々…特に雅季とはライブの関係上よく会うのだが、3人揃うことは別居している影響かとても珍しい。
楓と一緒にお節とお雑煮を作り、皆で信と宏の墓参りに行く。
そんな正月を奏は過ごした。
そして三が日を過ぎた今日。
奏は実家から自身の家に帰り、万理と千と一緒に初詣に来ていた。
「卒業したら上京する」
参拝の行列に並んでいる時に万理がいきなり話を切り出した。
「え…」
万理の言葉に千が驚いたように、戸惑ったように声を漏らした。
(少し意外だな…。万くんのことだから千と一緒に来年上京かと思っていのに…)
奏自身、Re:valeの名前を広めていくならやはり都心の方がいいとは思っていた。
更に、デビューのことも考えるなら、そちらの方が事務所の人の目にも留まりやすい。
しかし、奏は万理は千を置いて1人で上京はしないだろうと考えていたのだ。
奏が通っているのは都内の学校だ。
家賃の関係で東京には住んでいないが今住んでいる場所はかなり東京に近い。
そのため万理の家や雅季のライブハウスからは少し距離があった。
「あっちに拠点があった方が活動しやすいだろ。終電逃がしたら泊まっていけばいいし」
「でも…」
「来年になったら千も来い。すぐに本格的な活動ができるように下準備しておくから」
「…遠くに行ったら、今みたいに、すぐに会えない。ただでさえトキの家は遠いのに万まで…」
万理の言葉に長い沈黙の後、千はぽつりと呟いた。
その言葉と明らかに落ち込んでいる千が奏にはなんだか可愛く見えた。
万理の方を見ればパチリと目が合う。
その瞳を見れば長年の付き合いか、お互い考えていることは丸わかりで2人は顔を見合わせて笑った。
「ふふっ。千も可愛いところあるね」
「ははっ!だな。それにたった1年だろ。絶対にデビューできるようにするから」
「色々やっていたら1年なんてすぐだよ。1年だけ頑張れ。千」
「…」
万理と奏の言葉に千は不貞腐れたようにそっぽを向いた。