第二章 過去と今とこれからと
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実に連れられてついた場所はStellaと筆記体で書かれた部屋だった。
中に入ると部屋にはドラムとシンセサイザーが置いてあり、3つのパイプ椅子と譜面台、そしてつまみのついた小さな台にヘッドホンが置いてある。
「じゃあ、奏ちゃん、俺は事務所にいるから帰る時と何かあったら声かけて。キューボックスは一応出しただけだから使いたい時は声かけてね。準備する。それとはい、Astrumの鍵ね。一通り必要なものは出しておいたけど足りないものあったら自分で出してね」
そう言って実は奏の手の上に鍵を置いた。
「俺が帰る時は声かけるからその時はいつも通り施錠よろしくね」
「分かりました」
奏が返事をすると実は頑張れよ。と言って部屋を出て行った。
実が部屋を出ていくと奏は万理に視線を移した。
「じゃあ、まずは明日のライブで弾く予定の譜面もらってもいい?」
「ああ」
万理は奏の言葉に鞄を漁ってクリアファイルから数枚の紙束出し、奏に手渡した。
「…」
奏はその譜面を真剣に眺め、鞄の中から筆記用具とドラムのスティックを取り出して椅子に座る。
そして各楽器の場所を確かめて軽くドラムを叩いた。
「うん。よし。そしたらちょっと練習する時間もらってもいい?うーん…そうだな、30分くらい?」
「え?それだけでいいのか?」
30分という時間に万理は驚きを隠せなかった。
4曲を30分だと1曲にかける時間は10分も無い
かなり短い練習時間だ。
それだけで本当に合わせられるのか、いくら奏の実力を知っている万理でも信じられなかった。
「譜面見ていいならね。一通り通せるようにはしておくよ。30分だから甘いところはあるかもだけどそこは後で指摘して。そっちの方が練習しやすい」
奏の言葉に奏自身が大丈夫だと言うのだから大丈夫なのだろうと思い直して万理は了承した。
「それとスタジオ内はあまりウロウロしないでね。一応他のお客さんも来ているみたいだk」
「ねぇ、奏の作った曲の譜面とかデモはここには無いのか?」
千が部屋を見回しながら奏の話を遮って尋ねる。
千の様子に奏は話を遮られたことへの若干の不満はあったが自分の曲にそこまで興味を示してくれるのも嬉しいことで、千を咎めることはなく苦笑しながら答えた。
「…それならさっき鍵もらった部屋にあるから見てきていいよ。ただ、楽器とかもあるから倒さないように気をつけてね」
そうして奏は千に鍵を手渡した。
「分かった。万も行くだろ?」
千は万理の方を見て問いかけた。
万理自身も奏の作った他の曲は気になっていたため、ああ。と返事をした。
「部屋は出て左に行った先にあるAstrum って部屋ね」
「分かった。じゃあ、ちょっと行ってくるな」
「いってらっしゃい」
万理の声に奏いってらっしゃい。と返す
その声に送られて万理と千はStellaの部屋を後にした。
奏言われた通り、少し進むと筆記体でAstrumと書かれた部屋にたどり着いた。
千が貰った鍵で鍵を開ける。
部屋は防音のためかかなり厚い扉でかなり重く、更に二重扉になっていた。
扉の先には少し空間があり、もう1つ扉が続いていた。
その少しの空間の中には積まれたパイプ椅子と大小様々な多くのマイクスタンドが所狭しと置かれていた。
そして千が先の扉に手をかける。
重い扉を開けると扉を開けるとそこは凄かった。
エレキギター、アコースティックギター、ベースなどのギター類やアンプ、それに木琴や鉄琴、グロッケンなどの打楽器が丁寧に置かれており、更に譜面台と机が端の方に纏まっていた。
Stellaのスタジオに運んだドラムとシンセサイザーがあったであろう場所はぽっかりと空いている。
2人は中に入って楽器を倒さないように気をつけて奥に進む。
すると、楽器の出し入れなどに支障のない端の方に決して広いとは言えないがスペースがあった。
そこにはパイプ椅子とその正面に譜面台と机があり、机の上には音符の書かれていない数枚の五線譜とノートパソコンが置いてある。
そしてその近くには万理には見覚えのある使い込まれたギターがスタンドに立てかけてあり、近くにはエフェクターも置いてあった。
スペースの近くには小さな棚があり、そこの上にはミニコンポが置いてある。
棚の中にはそこまで数は多くないがいくつかのCDとそのCDの隣にはインデックスのつけられたファイルが並んでいた。
2人はここが奏の作業スペースなのだろうということをすぐに理解した。