インターン編
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数日後、調査をしていた事務所の構成員全員の抹殺命令が下った。
ステラさんとしてはインターンの時期に裏の仕事、ましてや抹殺命令の執行やらせるのは本意ではないらしいのだが、命令が出てしまったからには仕方ない。
上の人間は私が本当に使えるのかを試したいのだろう。
当日、ステラさんとアジャストさんが私に着くらしい。
ただ、あくまで2人はイレギュラーがあった際のサポートと監視役。
本拠地への潜入から抹殺を私1人が全てをこなすのだ。
決行は明日の夜。
ザワザワと胸がざわめく。
本当に私はできるのだろうか。
私が血濡れれば社会は守られる。
なら、やるしかない。
ヒーローとして国を、社会を守る。
それが私の新しい生きる意味。
牢獄ではなく今ここにいる意味だ。
できるかじゃない。
やるんだ。
悪いことをしたのなら償わなければならない。
ヴィランは法の裁きを受けるために牢に入るが、ヒーローである彼らは法の裁きではなく、命を持って償う。
私が償いをさせる。
それだけの話だ。
そうして、心を落ち着かせれば心の中の何かこぼれ落ちた気がした。
翌朝
いつも通りみんなが共有スペースに集まって朝食をとる。
私とここにいない常闇以外のインターン組は今日は特に違和感があった。
緑谷は朝食であるアジをジッと見つめていたし、先程出ていった他の人たちも顔つきが真剣だった。
「……」
「おい」
「……なに?轟」
出る時間まで少し時間があったため、共有スペースで少しぼーっとしてると轟が話しかけてきた。
私が振り向いた時、轟は驚いたように目を見開いた。
「!……なんかあったのか?」
「どうしてそんなこと聞くの?」
「……上手く言えねぇけど、なんかいつもと違うような……」
「?よく分からないけど、私はいつも通り大丈夫。心配しないで」
「……そうか」
私が心配するなと言っても、轟の心配そうな表情は変わらなかった。
なぜそんな顔をするのかよく分からない。
私はいつもと大して変わらないだろうに。
昨日心を落ち着けたからか変な緊張もしてないと思う。
そんなことを話しているうちに出なければならない時間になってしまった。
「……じゃあ、私ももう行くから」
「いってらっしゃーい!」
「気をつけてな!」
轟に声をかけ、芦戸たちに見送られて寮を後にしようとする。
寮の扉を押して外に出ようとした時、パシッと腕を掴まれる。
突然のことにビクッと肩が跳ねた。
振り返ってみればそこにいたのは先程の轟で、彼は焦りを滲ませた表情でそこにいた。
「……轟、もう行かないと」
「!わりぃ……。引き止めるつもりなかったんだが……」
轟の指が戸惑いながらもゆっくりと離れる。
衝動的だったのか、なぜこんなことをしたのか分からないという風に自分の手を見つめていた。
「……じゃあ」
「……ああ」
戸惑う轟を残して、今度こそ私は寮を出たのだった。