インターン編
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金髪の生徒……通形ミリオ先輩は準備運動をしながら私たちの前に立った。
先輩方が言うにはインターンで挫折してヒーローを諦め、問題を起こした生徒もいるらしい。
それ程までに現実は厳しいということなのだろう。
そして、その言葉にクラスメイトはピリつくと同時に次々に触発された。
「待ってください。我々はハンデありとはいえ、プロとも戦っている」
「そしてヴィランとの戦いも経験しています!そんな心配されるほど、俺ら雑魚に見えますか!」
「うん、いつどっから来てもいいよね!1番手は誰だ?」
通形先輩は私たちに視線を向ける。
1番に踏み出そうとした切島を制したのは緑谷だった。
それと共に再度緊張が走る。
「おまえら!いい機会だ。しっかりもんでもらえ!」
トップとの力の差はどれほどのものか。
また、彼はどのように個性を使うのか。
しっかり、見極め、対応していかなければ……。
そうして個性を発動させる。
今は室内。
私の苦手分野だが、そうも言ってられない。
できることをするまでだ。
「そいじゃあ、先輩!折角のご厚意ですんで、ご指導……よろしくお願いしまーす!!」
切島の声に緑谷がまず通形先輩に突っ込んで行った。
それと同時に先輩の体操服がはらりと落ちた。
その光景に耳郎の絶叫が響く。
先輩は謝りながら体操服を再度身につけている。
その隙だらけな先輩に向かって緑谷が勢いよく蹴りを繰り出すが、顔に駆り出された蹴りはするりと通り抜けた。
その光景からして恐らく、先輩の個性は「透過」だろう。
ということは物理攻撃は恐らく効かない。
しかし、常時発動系の個性ではないはずのため完全な死角からの攻撃などが効果的だろうと思っていると後ろからの攻撃も透過して避けてみせた。
そして、次の瞬間、先輩は消えていた。
それと同時に後ろの方で声が聞こえ、耳郎の絶叫が再度響き渡った。
恐らく、彼の個性は透過で間違いない。
何かの派生技で瞬時に移動したのだろう。
その証拠に耳郎のところにいた彼は服をまた着ていなかった。
彼は次々に生徒に腹パンを食らわせていく。
遠距離攻撃持ちがどんどん倒れていく。
最後は私かと思われたが、拳が触れる直前にお腹をかばい手から電流を放った。
「っうわっ!きみ、予測していたね?」
「みんな腹パンだったので。次は私だと思いましたよ」
「きみは時間がかかりそうだから後回しにするね!」
そうして今度は近接主体の生徒の方に向かっていった。
走っていた先輩がズボンだけを残して地面に吸い込まれていく。
そして、その後瞬時に緑谷の背後に現れる。
緑谷を予想していたのか反応したが別の手段で腹パンを入れられてしまう。
そして再度先輩は地面に沈んだ。
そして他のみんなも次々に腹パンを入れられてしまった。
残ったのは私だけだ。
先輩は再度地面の中に潜った。
勝機は実はもう見えていた。
先輩の個性は恐らく透過。
なら、あらゆるものがすり抜けるはずだ。
先程、青山の光線が当たらなかった。
つまり光もすり抜ける。
となれば、恐らく音や空気なども透過している間はすり抜けてしまうのだろう。
なら、天元の力であの人に勝つことは難しい。
しかし、重力ならばどうだろう。
あらゆるものに重力は付加される。
恐らく、地面に沈んでいっているのも全身に透過を付与させ、重力によって落ちていっているのだろう。
なら、透過していても一回触れれさえすれば私の重力操作は常時発動されることとなる。
ならば彼を重力で組み敷いて仕舞えばいいのだ。
再度先輩が背後で地面から姿を現す。
腹パンが炸裂しようとお腹に触れた瞬間、私は先程と同じように手で先輩の手に触れ、重力操作を発動させた。
「うおっ!」
やはり、重力の影響は受けるらしく、先輩の手は地面に縫い付けられた。
しかし、先輩は逃げるように再度地面に沈んだ。
私の推測が正しければ、重力をかけ続ければ先輩は再び姿を現すはずだ。
はぁはぁ、ゲホゲホとクラスメイトたちの声が聞こえる中、ひたすらに個性を解かず、集中して重力をかけ続ける。
すると予想通り、少しすると先程と同じところにかなりの衝撃と共に先輩が現れた。
衝撃は予想外だったがなんとか押さえ込むことに成功した。
「っ!」
「はぁ……はぁ……、きみ、すごいね。俺の負けだ」
「……どうも」
「天野さん……、すごい……」
「うぉぉぉ!天野!」
こうして戦闘演習は終了した。