仮免許試験編
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あの夜、就寝時間間近になっても轟が離してくれなかったため、いつもより早く鼓動する心臓を落ち着けながら、声をかければ少し不満そうに腕を解かれた。
共有スペースまで一緒に戻り、お互いにおやすみを言うとそのままエレベーターに乗り込んだ。
おやすみの声がとても優しかったことに加え、エレベーターが閉まる時まで轟がこちらを見ているものだから少し落ち着かなかった。
部屋に戻りベッドに潜るも、先程の出来事を思い出して落ち着いてきた鼓動がまた早くなった。
他人に抱きしめられたのは記憶を辿る限り初めてだ。
両親はもちろん、まあまあ長い付き合いであるステラさんにだってされたことない。
私の身体とは何もかもが違かった。
大きな身体と手にたくましい腕。
他人の体温に安心すると共に、何故だか分からないが同時にとても鼓動が早くなる。
気持ちの原因は分からないまま、悶々としながら目を瞑った。
中々眠れず少し寝不足になってしまった。
原因である轟は朝から普通に話しかけてきた。
ふと昨日のことが過ったが、なんとかいつも通りに接した。
ただ、こちらに向ける微笑みがいつも以上に柔らかかった気もする……。
轟とのことで悶々としながらも、試験はすぐそこに迫ってきている。
必殺技はいくつか考えた。
ステラ事務所でヒカルさんとリキッドさんに鍛えてもらったおかげで光と水に関してはかなり扱いが上達したと思う。
特に光に関しては体育祭までは精々できて目眩しくらいだったのが、ヒカルさんに色々な使い方を教わって応用の幅が格段に上がった。
光は幼少期から全然使い込めていなかったから、とてもありがたいことだ。
他の能力に関しても昔の知識を元に色々試行錯誤している。
当面の目標は天元の複数エネルギーの同時操作だが、これが中々難しく、苦戦中だ。
習得できるのはもう少し先になるだろう。
ひたすら制御の特訓に励む日々だ。
轟とは違い、半分半分に別の個性が宿っているわけではいないため、全身を通うエネルギーの変換割合を調節して出力する。
これが難しいのだ。
使い慣れている風の力でも今できるのは風の力に少し炎の力を混ぜて小さな温風を作るなどの小規模なものだ。
とても必殺技とは言えない。
更に大技になればなるほど割合の調整は難しくなる。
イメージはあるのに中々形にならないことに心の中でため息をつきながらひたすら特訓に励んだ。