神野事件編
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「そうか。それで?きみの未来予知では僕はどうなる予定なのかな?」
「あんたは負ける。完膚なきまでにな」
「そうか。残念だ」
「ステラさん!!」
先生が先程ジーニストに放ったものと同じものと思われる風を放つ。
風が心臓を穿つと思われたが光の障壁が現れ、風を打ち消した。
その後、光の壁は脆く崩れ落ちた。
「うちの、所長の首は……簡単に打ち、取らせないよ……」
「連絡は……入れました。すぐに、援軍が来ます……」
「助かるよ。2人とも」
リキッドさんとヒカルさんがうつ伏せで倒れながらも個性を使用していた。
「ははっ!あの攻撃に反応してみせるたのもだが、意識があるのか。きみの力があってこそだろうが、きみのサイドキックは優秀だね。ステラ。流石国の最高機関だ!」
先生がそう話すと、突然黒い泥のようなものが現れた。
それは次第に人の形になり、1人の人間が現れた。
「ゲホッ! くっせぇ!ンだこれ……!!」
「!爆、豪……」
「お前……、おい!何泣いてんだ!泣き虫女!」
それは私と一緒に連れ去られた爆豪だった。
爆豪の声にビクッと肩が跳ねる。
慌てて涙を拭った。
それから次々とヴィランが現れる。
どうやらどこかから一斉に移動させられたようだ。
「悪いね、爆豪くん。……また失敗したね、弔。でも、決してめげてはいけないよ。またやり直せばいい。こうして仲間も取り返した。この子も奏くんもね。きみが大切な駒だと考え、判断したからだ。いくらでもやり直せ。そのために僕がいるんだよ。全ては君の為にある」
そうして先生は死柄木に手を差し伸べた。
ステラさんは私たちがヴィランに近すぎて下手にこちらに踏み込めないようだ。
警戒するようにヴィランたちを睨んでいる。
そして少しすると「やはり……来てるな」と言って先生は空を見上げた。
途端、空から飛んできたのは世界のNo.1ヒーロー……オールマイトだった。
オールマイトの拳を、先生は両手で受け止めていた。
「全て返してもらうぞ!オールフォーワン!」
「また僕を殺すか? オールマイト!!」
先生とオールマイトの衝突に壁が盛り上がり爆風が吹き荒れる。
「爆豪少年と天野少女を取り返す! そしてお前を刑務所にぶち込む! 貴様の操るヴィラン連合諸共!!」
「それはやる事が多くて大変だな、お互いに」
すると、オールマイトは先生に吹き飛ばされた。
「「オールマイト!!」」
「心配しなくてもあの程度じゃ死なないよ」
先生は死柄木に私と爆豪を連れて逃げるように言った後、黒霧と呼ばれていたヴィランに赤黒い爪を突き刺した。
するとしばらくしてから気絶して個性が発動できないはずが、彼の個性であるワープゲートが開かれた。
オールマイトは先生と交戦している。
しかし、荼毘、黒霧意外のヴィラン連合の面子は動けるまま。
私と爆豪を無理矢理にでも連れて行こうと様々な攻撃を仕掛けてきた。
その様子にステラさんも応戦してくれる。
「うわっ、……離せ!」
「っ!乱暴ね!」
磁力で引き寄せられそうになるも電撃で相手を攻撃し、個性を解除させる。
気絶するほどの電圧は今は出さないが怯ませるくらいならできる。
「っと、よっ!」
「ぅっ……!」
ステラさんはトガヒミコのナイフや注射攻撃を避けながら近づき、強烈な肘打ちを食らわせる。
鳩尾に入ったと思われるそれにトガは悶絶しながら壁に打ち付けられた。
まだ意識はあるようだが動きは鈍い。
「トガちゃん!」
「流石、プロヒーロー……。怖いわね」
「ははっ、そりゃどうも」
「っ……!」
ステラさんが次のヴィランに攻撃を仕掛ける。
ステラさんが加勢してくれているとはいえ、6:3なのは変わらない。
爆豪も私も避けるのに精一杯だ。
オールマイトが私たちを巻き込まないように力をセーブして戦っているのが分かる。
足枷になっているのが分かる。
早くこの場を去らなければ。
そう思っていると突然ガラッと壁が崩れる。
その後、瞬時に氷の滑り台のようなものが突如として生成された。
(これ、轟の……!)
その滑り台を凄まじいスピードで駆け上がるのが3人見える。
あれは緑谷、飯田、切島だろうか。
そしてその勢いのまま彼らは飛んだ。
「来い!!!」
上空を横断する切島が手を差し伸べる。
しかし、今の私はエネルギーが溜まっていないため、そこまで瞬時に到達する程の風圧を出すことができない。
だから、手から爆発を出そうとしている爆豪に思い切り抱きついた。
その瞬間、私たちの身体は上空へと舞い上がった。
下を見ればステラさんが安心した顔で微笑んでいるのが見えた。
そしてしっかりと爆豪は切島の手を掴んだ。
「っ! バカかよ!」
その表情はどことなく明るかった気がする。
「ってかテメェ!自分で空飛べんだろ!くっついてくんな!」
「ごめん!今、エネルギー切れでここまでの高度まで持っていくとなると風圧足りなかったから!」
「ハァ!?」
「!そうなんだ。知らなかった……。たまたまかっちゃんの近くにいて良かった……」
「爆豪くん!俺のレシプロに合わせて爆風を!」
「てめぇが合わせろ!」
「こんな時に張り合うな!」
飯田と爆豪が言い合っているとヴィランが飛んでくる。
しかし、そのヴィランは光の壁に阻まれた。
下を見ればヒカルさんが苦悶の表情を浮かべながらもこちらを見て笑っている。
ヴィラン側は更にもう一度同じことをしようとするが、個性使用者と思われる奴の手と足を赤い弾丸が貫く。
弾丸の発射元には赤い液体を少量手に纏わせたリキッドさんがいた。
そして、痛みで個性が発動できない瞬間を狙ったのごとく、グラントリノが凄まじい速さで3人のヴィランを制圧した。
「ヒカルさん、リキッドさん……!」
「グラントリノ……!」
残ったプロヒーローのことの無事を祈りつつ、多くの助けを得て、私たちは戦場から離脱した。