林間合宿編
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「彼なら俺のマジックで貰っちゃったよ。……こいつはヒーロー側にいるべき人材じゃねぇ。もっと輝ける舞台へ俺たちが連れてくよ」
「返せ!」
皆が声がした方を振り返ればそこにいたのは仮面にシルクハットを被った男だった。
「どけ!」
轟が足から繰り出した氷結をも素早く避け、男は別の木に飛び移った。
「!爆豪だけじゃない!天野と常闇もいないぞ!」
「え!?奏ちゃんさっきまでおったのに……!」
障子の言葉に皆が焦る。
直ぐ後ろを歩いていたはずの2人を攫い、あの一瞬で天野も音も気配も感じさせずに攫った。
正体不明の個性に轟の氷結を避ける素早さ。
それぞれが警戒しながら相手を観察するが相手は話しながらガラス玉を指で弄ぶ。
先程、1つしかなかったガラス玉は3つに増えていた。
「天野くんはさっき爆豪くんを探そうと全員が後ろを向いた隙に貰っちゃった。ダメだよ。要警護者から一瞬でも目を離しちゃ。常闇くんはアドリブで貰っちゃったよ。ムーンフィッシュ……歯刃の男な。アレでも死刑判決控訴棄却されるような生粋の殺人鬼だ。それをああも一方的に蹂躙する暴力性。彼も良いと判断した」
「この野郎!貰うなよ!」
「緑谷、落ち着け!」
「麗日こいつ頼む!」
「え、あ、うん!」
轟は背負っていた男を麗日に任せると最大出力で氷結を繰り出す。
男がいた木をゆうに超える氷壁が瞬時に出来上がった。
轟の半身が霜に覆われ、はぁっと白い息を吐き出した。
攻撃が通ったかと思えたが、男は氷結を避け、空を横断していく。
「悪いね!俺は逃げ足と欺くことだけが取り柄でよ!ヒーロー候補生なんかと戦ってたまるか。……開闢行動隊、目標回収達成だ。短い間だったがこれにて幕引き!予定通りこの通信後5分以内に回収地点へ向かえ!」
「幕引き……だと」
「ダメだ…!」
「させねえ!絶対逃がすな!」
男は右耳に手を添えると仲間に連絡を取り、木を飛んで去っていく。
轟の言葉に全員が一斉に走り出した。
全員が全力疾走をしているというのに木々を次々と飛んでいく男に追いつけずにいた。
むしろ徐々に距離が開いていっている。
追いつけないことに焦りが見えつつも、そこで緑谷はある作戦を思いつく。
それは麗日の個性で重さを軽くし、蛙吹の舌で他の人たちを投げ飛ばす。
その後、障子が複製腕で軌道を修正しつつ他の人たちを牽引し、麗日が見えている範囲で奴との距離を見計らって個性を解除するという人間弾だった。
怪我のひどい緑谷は残るように轟が言うが、緑谷は聞かなかった。
助けるという行為への執着は轟も気圧されるほどに凄まじく、あの男が行く先を鋭く睨んでいた。
その様子に麗日は折れている両手へ添え木をし、自身の服を破り、固定する。
心許ない応急手当てだが何もないよりマシである。
3人が固まり、蛙吹の舌に巻かれる。
そして、麗日が個性を付与した後、蛙吹は思いっきり3人を投げ飛ばす。
そのまま狙い通りに3人は男に突撃。
麗日の個性が解除され、男は地面に押し付けられた。