林間合宿編
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「……耳郎、大丈夫?」
「大丈夫じゃない……。もう無理……。帰りたい……。っていうか、本当に驚かないね天野!」
「まあ、あまりびっくりしなかったから……」
B組からの脅かしを受けてまだ5分くらいだが、かなり疲れている様子だ。
若干だが叫びすぎたせいで声も掠れている気がする。
そんなことを話していると風に乗って少し焦げ臭い匂いがする。
空を見てみれば黒煙が立ち昇っている。
どうやら森が燃えているようだ。
更に辺りに紫の煙が漂ってくる。
若干吸い込んだだけで分かった。
これは有毒ガスだ!
瞬時に風の個性を展開して一瞬ガスを払う。
その隙に自身と耳郎に風のバリアを張った。
「なっ、何!?」
「これ、多分有毒ガス。私の個性でバリア張ったから1つ後ろの八百万と合流しよう。多分ガスマスクを創造できるはず」
「!うん、助かった。ありがとう」
私と耳郎は来た道を走って引き返す。
走りながらは炎の原因を考えていた。
私たちの中で炎系の個性を使えるのは轟、爆豪、そして私。
驚いて個性を暴発させてしまったということも考えられたが私含めて皆驚いて暴発させはしないだろう。
となると考えられるのは敵襲だ。
どれ程の数があるのか、どのくらいの強さなのか何も分からないが遭遇しないことを願うしかない。
『皆!敵二名襲来!他にも複数いる可能性あり!動ける者は直ちに施設へ!会敵しても決して交戦せず撤退を!』
走っている最中、マンダレイのテレパスが頭に響く。
このテレパスはメイさんの共感覚と似ている。
違うところは個性所有者から一方的にしか送れないというところと声しか送ることができないところだろう。
それとマンダレイのテレパスはメイさんのような登録もいらない。
テレパスが終わると同時に八百万と青山の姿が見えた。
更にB組の泡瀬もいる。
既にガスマスクをつけていることから考えることは一緒だったらしい。
「八百万!青山!」
「天野さん!耳郎さん!」
「八百万、ガスマスクもらってもいい?」
「もちろんです!よく無事で……」
「天野の風のバリアのおかげだよ。助かった」
「力になれて良かった」
八百万は私と耳郎にガスマスクを手渡してくれる。
それを素早く身につけて、個性を解除した。
「耳郎は八百万たちとこのまま行動して」
「天野は!?」
「私は消火作業へ。ここはガスまみれだから気がつかないけど、そのガスが出る少し前、向こう側で黒煙が見えた。多分、森が燃えてる」
「なんですって!?」
森が燃えている。
その言葉に言葉にいる皆に焦りの表情が浮かんだ。
「森が燃えるとなると最終的に火の海になって逃げ場がなくなる。水の個性を持っているのは私だけ。先生にはすぐに施設に帰るように言われたけど、私がやらなきゃ……」
「1人じゃ危険だよ!私も……!」
「火元に近づくとなるとどうしても暑い。そうなると耐性の身体を持っている私1人で行ったほうがいい。他の人はそのままだと火傷しちゃう可能性が高い。八百万の創造もガスマスクを作るためにもそうだけど他にも緊急時のために取っておいた方がいい。耐熱性のスーツなんて作ったら時間も脂質も一気に持ってかれるだろうし」
「……そうですね。天野さん1人に任せるのが適任だと思います」
「っ!本当に気をつけてね!」
「うん、みんなもね」
八百万は少し考えた後、私の言葉が正しいと思ったのか、顔を歪めた。
恐らくだが、力になれないことを気にしているのだろう。
耳郎は心底不安そうな表情で私を送り出した。
そうして私は八百万たちと別れて来た道を戻った。