林間合宿編
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「さて!腹もふくれた皿も洗った!お次は」
「肝を試す時間だー!」
「「「「試してぇ!!」」」」
夕食後、森の手前に皆が勢揃いしていた。
一部の生徒たちがワッと盛り上がる。
一方で青い顔をして震えている人もいた。
訓練中にピクシーボブが言っていた肝試しの時間だ。
肝試しというのがどういうものか分からなかったが昨日部屋でみんなが説明してくれた。
脅かす人と体験する人がいるらしく、脅かす側は体験する人を様々なことで脅かすのが役目。
体験する側はそれを体験しながら特定のルートを巡るものらしい。
それの何がいいのかと聞けば芦戸はスリルがあって楽しいといい、逆に耳郎は楽しくない、できればやりたくないと言っていた。
やりたくない理由としては幽霊などの類が苦手らしい。
それに夜の森は不気味で怖いとのことだった。
幽霊や心霊というものは今まで会ったことがないためよく分からない。
それに夜の森なら慣れっこだ。
不気味や怖いという気持ちは抱いたことがない。
まあしかし、感じ方は人それぞれだ。
苦手な人もいれば大丈夫な人もいるのだろう。
そんなことを思い出していると相澤先生が補習組の生徒を引きずっていく。
どうやら、日中の訓練が疎かになっていたためこの時間を削って補習をするらしい。
補習組は特に肝試しに盛り上がっていたため少々気の毒だったが仕方ないだろう。
今回の肝試しは脅かし合いとのことで脅かす側先行はB組。
まずはA組が2人1組になって約3分おきに出発。
ルートの真ん中に名前の書かれたお札が置いてあるのでそれを持って帰還すればクリアだ。
より多く相手を怖がらせた方が勝ちらしい。
ピクシーボブが用意してくれた2人1組を作るためのくじを引く。
引いた紙を見るとそこには3と書かれている。
ペアは誰かとキョロキョロしていると顔色の悪い耳郎がこちらに寄ってきた。
手には3と書かれた紙を持っている。
どうやらペアは耳郎のようだ。
「天野とペアか。よろしくね……」
「……大丈夫?」
「大丈夫じゃない〜!マジで怖い……。叫んだらごめんね」
「気にしないから大丈夫」
「昨日大丈夫そうって言っていたもんね」
そんな会話をしている中でペアに納得いってないのが若干2名。
峰田は八百万と組みたいのか青山に変わって欲しいと訴えている。
いつものことだ……。
爆豪は轟と組むのが気に食わないのか尾白に自分と変わるように詰め寄っていた。
当の轟はキョトンとしている。
私の視線に気がついたのか轟がトコトコとこっちに来る。
「天野、お前こういうの平気なのか?」
「初めてだけど多分、大丈夫。幽霊とかよく分からないけど夜の森は慣れてるから」
「……夜の森に慣れているって、何やってたんだ?」
「昔住んでいた家が森の中だったから夜の森は日常だった」
「そうなのか」
そこでちょうどピクシーボブが轟と爆豪を呼ぶ。
「じゃあ、後でな」
「ん、いってらっしゃい」
そうして轟と未だに納得のいっていない様子の爆豪は森の中に消えていった。
「……天野、いつまで轟たち見ているの?」
2人とも怖がらずにただ森を散歩して終わりそうな組み合わせだ……と思って2人を眺めていると耳郎に顔を覗き込まれる。
「いや、2人ともただ散歩して終わりになりそうなペアだなーと思って見てた」
「確かに、2人とも怖がっている様子想像できないね」
怖がって逃げ出す姿や叫んでいる姿を想像してみるが全然想像がつかない。
爆豪はいつものように怒るだろうし、轟は反応が薄そうだ。
そんなことを考えているとピクシーボブに私たちの名前が呼ばれる。
耳郎はその瞬間、素早く私の片腕をしっかり両手でホールドし、さっきまでの話で少しマシになっていた顔色が再度悪くなった。
少し歩きづらさも感じながらゆっくりと夜の森の中へと足を進めた。