林間合宿編
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「さぁ!言ったね!世話を焼くのは今日だけって!」
「己で食う飯くらい己でつくれ!カレー!」
訓練終了後休む暇なく夕食の時間がやってくる。
今日は昨日とは違い、自分たちで夕食を作る。
ラグドールとピクシーボブの声にイエッサ……と返事をする声は皆疲労困憊で覇気がない。
私も同じだ。
お腹も空いているがお風呂に入ってゆっくりして泥のように眠ってしまいたい……。
疲れているはずの飯田の元気な声を皮切りに、私を含めて皆はノロノロとカレーを作るために動き出した。
「天野サンキュ!」
「ん」
屈んで個性を使って薪に火を灯せばパチパチと木が音を立てて燃えていく。
パチパチという音と揺らめている炎を見るなんだか少し落ち着いた。
いつまでも見ていたくなる。
「奏ちゃん、どうかした?」
「!あ、いや、なんでもない」
梅雨ちゃんに声をかけられ、ハッとしたように立ち上がった。
今は料理中だった。
野菜でも切ろうかと思っていると同じように火をつけるように頼まれた轟が目に入った。
轟は薪に火をつけると穏やかな表情で炎が燃えていく様子を見て、少しするとフッと笑って立ち上がった。
あれだけ自分の炎の力を嫌っていたのにこんなに柔らかい表情を浮かべるようになったのかと思った。
どうやら自分の中で上手く消化できたのだろう。
職場体験先もエンデヴァーの事務所だったし、何か心境の変化があったのかもしれない。
何にしろいいことだろう。
そう思いながら私は野菜を切りに調理台に向かった。
「……」
そんな私を轟が見ていたことには微塵も気が付かずに。