林間合宿編
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あっという間に時は過ぎて夏休みに入り、林間合宿当日。
「緑谷、無事で良かったな」
「……そうだね」
合宿所に向かうバスの中で隣に座った轟の言葉に返事をする。
ちなみに私が窓側、轟が通路側だ。
麗日に誘われた林間合宿前のショッピング。
そこで緑谷がヴィラン連合のボス、死柄木と接触したらしい。
幸い、会話をしただけで怪我などもなく無事だったらしいが、これにより林間合宿は例年使用している合宿所をキャンセルし、行き先は当日まで明かさずに行うこととなった。
「……なんか轟変わったね」
「?そうか?」
「うん。なんか柔らかくなった気がする。雰囲気が」
轟がせっかく何か話を振ってくれたのだから私も何か話題をと思い、思ったままを伝えてみた。
入学当初は私と同じで1人の印象だったが、最近は飯田や緑谷たちと話す姿を多く見る。
緑谷のあの言葉のおかげで自身のしがらみが少し解消されたのか雰囲気も柔らかくなった気がした。
「……なら、それはお前と緑谷のおかげだ」
「私も?」
「あぁ」
「覚えがないんだけど……」
「あの時の試合の言葉に俺は救われたんだ……」
「あの時の試合って……」
思い出すのは体育祭の轟との試合。
その前の轟と緑谷の試合で緑谷から言葉の力と大切さというのを教わった。
試合中の轟は焦っているように見えた。
迷っているように見えた。
だからなんとかその背中を押せたらと思った。
それが力になったようなら何よりだ。
「あの時は言いそびれちまった。ありがとうな。天野」
「!ど、どう……いたしまして……」
轟の柔らかい微笑みに心がソワソワして少し鼓動が早くなった気がした。
お礼を言ってもなお、こちらをじっと見てくる轟にどうしたらいいか分からなくなって逃げるように視線を逸らして窓の外を見た。
流れる景色に混ざって、轟がまだこちらを向いているのが窓の反射で分かる。
私を見ていて面白いのかは分からないが轟はしばらく見た後、フッと再度笑い、前を向いた。
なんだったんだ……。
思わぬ感謝の言葉。
胸をくすぐるこのソワソワした気持ち。
この感情の名前を私は知らない。
いつかわかる日がくるのだろうか……。
そう思っていると相澤先生の休憩の声と共にバスが止まった。
ここはパーキングでもなんでもないが荷物を持たずに降りるように指示され全員下車する。
下車した場所はやはりパーキングではなく道路途中のひらけた広間。
そこで、今回の合宿で世話になるプッシーキャッツの紹介ならびに今回の合宿の目的地を示される。
嫌な予感がし、多数の生徒がバスに戻ろうとしたが、ピクシーボブの個性によって変形した地面に押され、全員崖から放り出された。
私は瞬時に着地地点に衝撃を和らげるための大きな水のクッションを用意する。
膨らんだ水はポヨンと跳ねて皆の着地を和らげる。
「怪我ない?」
「天野ー!助かった!」
「奏ちゃんありがとう!」
「おーい!私有地につき個性の使用は自由だよ!今から3時間!自分の足で施設までおいでませ!この……魔獣の森を抜けて!」
「魔獣の森……!?」
「なんだそのドラクエめいた名称は……」
マンダレイの言葉にみんながソワソワと話す中、前屈みになった峰田が超特急で森の中へと駆けて行く。
それと同時に何かが動く気配がした。
警戒体制を取る。
それと同時に森の中から巨大な怪物が現れた。
「「魔獣だー!!」」
叫び声と共に自然と身体が動いた。
光を複数圧縮させ、5本のレーザーを放つ。
レーザーは魔獣の身体を貫き、倒れた。
1体倒れたと思ったら次々と魔獣は現れる。
口田の個性が聞かなかったため、恐らく、あのピクシーボブの個性で作り出されたものだろう。
恐らくこの魔獣を倒しながら合宿所に向かうのが最初の試練というわけだ。
魔獣と戦いながらあれだけ離れた距離の合宿所への移動となると3時間では足りない気がするがやるしかない。
障子と耳郎の索敵結果を聞きながら全員で協力して倒していく。
私も炎以外の個性を使って次々に倒していく。
炎を使わないのは森が燃えないようにするためだ。
空に打ち上げた無数の水の矢で地上にいる複数の敵を同時に倒していく。
上空の敵もヒカルさんに教わった光の足場と風の個性を駆使して倒していった。