林間合宿編
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特に怪我もしていない私は入院している皆とは違い病院に入院することもなく翌日からステラ事務所に戻っていた。
残りの日はパトロールをメインに業務時間外にヒカルさんに頼み込んで光の個性の特訓に付き合ってもらった。
光の個性はあまり扱いができていないからとても勉強になった。
最終日ステラさんにお礼を述べ頭を下げれば「こちらこそ、1週間助かった。また来なよ」と笑って送り出してくれた。
そして1週間の職場体験は終わりを迎えた。
東京から静岡に戻り、翌日からはいつも通り学校に通う。
職場体験が終わるや否や次に待ち構えるのは期末テストだ。
そして、期末テストが終わったら夏休みとなり、夏休み中は林間合宿を開催することを相澤先生は発表した。
そのことにクラスメイトたちは大はしゃぎだ。
しかし、期末テストで合格点に満たなかった者は補習授業だという言葉に焦りを見せた生徒も少なくなかった。
期末テストは筆記と演習の2段階評価。
雄英の卒業生であるヒカルさんとハルカさんからは入試時と同じく対ロボットの実践演習らしいと聞いていた。
少し通っていたのは前だが、例年変わってないから今年も同じだろうと言っていた。
まあ、私はロボットでも対人でもどちらでもやることは変わらない。
それぞれ、期末に備え、勉強、トレーニングを行い、試験当日を迎えた。
筆記試験を終え、演習試験に進む。
演習時間はロボットとの戦闘かと思われたが今年から試験の内容を変更すると校長より発表された。
その試験内容とは、プロヒーローである校長並びに先生たちとの2人1組での直接対決だった。
今後の対人戦闘、活動を見据えたより実戦に近い形式で行うこととなったようだ。
私は障子とチームとなった。
相手はスナイプ先生だ。
場所は室内戦。
スナイプ先生はゲート前に陣取っているおり、なんとか抜かなければならない。
いつもなら凍らせるか電気で感電をさせ、戦闘不能にするか自身を無重力にし一気に風の力でゲートを潜るのだが、柱が多く、電撃や氷は簡単に回避できてしまう。
更に、室内のため威力が少し落ちている風の個性ではいつも通りに俊敏に動くことは難しい。
どこでも弾を当ててくるスナイプ先生だ。
半端なスピードでは撃ち抜かれて終わりだろう。
フィールドと先生の個性も相まって中々難しい。
柱に隠れていたが、発煙筒で視界を遮られた瞬間、ある考えが浮かんだ。
「障子」
「どうした?天野」
「スナイプ先生の気を引いてくれる?その間に私がハンドカフスをかける」
「何か策があるのか?」
障子が聞いた途端柱が打ち込まれた弾丸に耐えきれられなくなったのか崩れていく。
障子は別の柱に移動。
私は靴を脱いで気配を消す。
光の個性で光の屈折を操って自身の姿を消した。
これで障子が気を引いていてくれている間にハンドカフスをかけるという作戦だ。
体育祭の時に轟に言われた足音を消すために靴は脱いだ。
足跡を立てないように慎重に近づく。
大丈夫なはずだ。
そして狙い通り、障子が気を引いている間にカチャンとハンドカフスをかけた。
その瞬間に個性を解除する。
「よし、確保」
「いつの間に……!」
「ナイスだ、天野!」
こうして私たちは試験を合格した。
そして翌日、テストの結果が発表された。
筆記は赤点者なし。
演習の方では赤点が数名。
しかし、林間合宿への参加は全員が決まった。
林間合宿は強化合宿。
つまり、赤点者程力をつけてもらわなければならないとのことだ。
そして赤点者には林間合宿中にキツイ補修があるらしい。
何はともあれ、こうして無事生徒全員の参加が決まった。
「奏ちゃん!みんなで林間合宿のための買い物に行くんだけど奏ちゃんも行かへん?」
「……私は必要なもの揃っているから今回は遠慮しておこうかな」
「……そっか……」
私の答えに麗日の表情が曇った。
何か回答を間違えただろうか?
用事がなければ出かけないのは私の中では当たり前のことで、どうやって声をかけていいか分からない。
「そしたら、林間合宿の時、女子会しましょう」
「…… 蛙吹」
「梅雨ちゃんと呼んで」
「……梅雨ちゃん」
「!そうだね!女子会しよう!」
会話を聞いていたのであろう蛙吹……もとい梅雨ちゃんが話に入ってきた。
梅雨ちゃんの言葉に麗日の顔はパァッと明るくなった。
「女子会……って……?」
今まで学校にも通ったことがなく、同年代の子と話す機会の無かった私にはなんのことだかさっぱり分からない。
「女子会っていうのは、女の子同士でお話することよ」
「……そうなんだ。上手く話せるか分からないけどそれでもいいなら……」
「全然大丈夫だよ!ね、梅雨ちゃん!」
「ケロ!ずっと奏ちゃんとお話ししてみたかったの。林間合宿が楽しみね!」
「……頑張る……」
梅雨ちゃんのおかげで助かった。
曇っていた麗日の顔が晴れやかになって安心すると同時に胸がほぉっとあったかくなるのを感じた。