職場体験編
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テレポートした先で見たのは氷の上に倒れ込むヴィランらしき人物と氷に頭を打ちつけ、尻餅をついている緑谷と飯田。
そして、立ち上がっている轟の姿だった。
戦いは終わり、手助けは必要なさそうだ。
「どうやら終わっていたみたいだね」
「そのようです」
「!天野さん!来てくれたんだ!」
私とハルカさんの会話を聞いたみんなが強張った顔でこちらを向く。
恐らく、ヴィランの増援だとでも思ったのだろう。
しかし、その顔もこちらを見た瞬間、安堵に切り替わっていた。
「緑谷の位置情報メールさっき見てね。SOSなんじゃないかと思って念のためきたんだけど遅かったね。ごめん」
「いや、謝らないで!来てくれて嬉しいよ」
「天野。お前も来ていたんだな」
「私の職場体験先、東京の事務所だから。まあ、それ以外にも理由はあるんだけど、脳無が発生していたからとりあえず現場対処をしていたの。そのせいで来るの遅くなっちゃった。……って、みんなすごい怪我だね。とりあえず、救急車と警察をここに呼ばないと……」
「それは俺からステラさんたちに共有したから大丈夫!もうすぐ警察も救急車もこっちに来るよ」
「ハルカさん仕事が早いです……」
私が2人と話している間にハルカさんはテレポートでヴィランを連れてきていたのか氷の上にいたヴィランは彼の横に連れてこられていた。
よく見れば恐らくこいつは巷で有名なヒーロー殺しだろう。
特徴が一致する。
「この人倒したばかりなんだよね?とりあえず身につけている武器を全て外して拘束して大通りに出よう。ロープとか無いか探そうか、セレネちゃん。そこのきみ、こいつの武器とか念のため取っておいてくれるか?」
ハルカさんは私と轟に指示を出すとそこら辺を探し始めた。
「分かりました」
「あの人は?」
「あの人はハルカさん。私の職場体験先のサイドキックだよ。……あ、あった。ハルカさんありましたよー」
話しながらゴソゴソとゴミ捨て場を漁っていると使えそうなロープがすぐに出てきた。
案外探せば見つかるものだ。
ハルカさんに渡して武器を外し終わったヒーロー殺しを拘束した後、引き摺りながら大通りへ向かう。
どうやら、緑谷は足を怪我しているようで震えているのが目に入った私は重力操作で彼を浮かせて運ぶ。
「天野さん……。ありがとう……」
「気にしないで。救急車が来るまでね」
轟と飯田は足に問題はないのか2人は普通に歩いていた。
「む!?んなっ……何故お前がここに!」
「グラントリノ!」
「座ってろっつたろ!」
「ごめんなさい!」
大通りに出たところで黄色のマントを羽織った小柄な老人が出会い頭に緑谷の顔面に蹴りを入れた。
緑谷の職場体験先のプロヒーローらしい。
グラントリノ。
初めて聞くヒーロー名だ。
「この辺りだ……!」
「ハルカ!遅くなった!」
「こっちは終わってますよ!」
次にステラ事務所のサイドキックならびに担当地区のプロヒーローたちが駆け付けてくれた。
どうやら、ステラさんから事情を共有されたピークさんの指揮でこちらに向かってくれたようだ。
ヒカルさんはまだあいつを追っているのか姿が見えない。
「酷い怪我だ……。救急車は……」
「もう呼んである。あとは到着待ちだ」
「そうか。すぐ来るだろう」
「……緑谷くん、轟くん……」
プロヒーローたちが話している姿に耳を傾けつついると飯田の声が聞こえた。
振り向いてみると勢いよく飯田が頭を下げた。
「僕のせいで傷を負わせた!本当に済まなかった!何も……見えなく、なってしまっていた……!」
「……僕もごめんね。きみがあそこまで追い詰めてたのに全然見えてなかったんだ。友だちなのに……」
「っ……!」
事情はよく知らないが何かあったのだろう。
緑谷の言葉を聞いた飯田からポタポタと地面に雫が落ちた。
泣いているのだろう。
「しっかりしてくれよ。委員長だろ」
「……うん!」
轟の言葉に返事をした飯田の声はしっかりしたものだった。