職場体験編
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消火活動を任された私は手に水を出す。
大量の水を圧縮してある程度の大きさにした後、天に向かって打ち上げた。
水の球はある程度の高度になった途端、パンッと弾け飛んでいきなり豪雨になったかのよう大地に降り注いでいく。
火が段々と弱まっていく。
すぐに火は鎮火するだろう。
念のためもう1発打ち上げ、ステラさんに連絡を取る。
「ステラさん、一旦、消火終了です!次は何をすればいいですか!」
「天野さん!?」
「緑谷!?」
『どうした?セレネ!何があった!』
「いや、ちょっと同級生と会っただけです。少し、待っててください」
私がステラさんに次の指示を聞くと同時に緑谷がこの広場に現れた。
ステラさんに断りを入れ、緑谷に近づく。
「天野さん!飯田くん見なかった!?」
「飯田?見てないよ。雄英の生徒は私しかいない」
「え!?真面目な飯田くんがなんで……。………まさか……」
緑谷は私の言葉に考え込んだと思ったらここを離れていった。
何があったのか分からないが私は私が今やることに集中しなければ。
「ステラさん。すいません。お待たせしました。次の指示をください」
『大丈夫なのか?』
「一旦は。また何かあったら共有します」
『分かった。とりあえず、あいつはパワーがすごい。軽減できるようなバリア貼れるか?街への被害を軽減するバリアとヒーローたちへのバリアだ』
「風のバリアでしたら周囲を囲むように展開することはできます。並行しての展開は展開できて3つくらいです。まだまだですいません……」
私が1番操ることに長けているのは風の個性。
風の個性だからこそできることだ。
他だと周囲への展開だけで個別の展開はできないだろう。
特に光の個性に関してはあまり鍛える機会が無かったため、体育祭で見せたあのだだっ広げなやり方しか今のところはできない。
まだまだ特訓が必要だ。
『いや、十分だ!建物への被害を抑えるために常時、囲うように風のバリアを展開、脳無たちの攻撃や被害がヒーローたちに及びそうになったら個別のバリアを展開してくれ』
「分かりました!」
周りを見れば空にいる脳無はハルカさんのテレポートとハルカさんのテレポートによって現着したヒカルさんが光の足場を作って攻撃を与えていた。
レーザーを打ち込むも飛翔タイプだからかあまり当たらないようだ。
リキッドさんは消火栓の水を解放し、水を操って自身の身体能力を強化したギフトさんと一緒に地上の脳無を相手にしている。
水を固めた槍などで攻撃しているが再生可能持ちのためすぐに修復されてしまう。
アジャストさんは脳無付近の空気の濃度を調整していたようだが、脳無が暴れたことで範囲から抜けてしまったのか、再度暴れ出した。
あまり乱発しても仲間を巻き込んでしまうため、個性は乱用できないようだ。
ピークさんは脳無の思考、戦闘パターンを解析しているのか2体の脳無を視界に入る場所を取り続けている。
投げ飛ばされたギフトさんや、舞い上がった車に潰されそうになった担当区域のヒーローに個別で風のバリアを与えていく。
同じ個性といえど片方を維持したまま、別のことをするのは少し大変だ。
また、常に戦況を見ていないといけないから目が離せない。
少し前に携帯が振動したように思ったが見る暇がないので後回しだ。
「そろそろ終わりにしましょう!アジャスト!」
「おう!」
「トライデント!」
アジャストさんが濃度調整で酸素の濃度を薄くし、脳無の動きを鈍らせる。
その隙にリキッドさんは大量の水を操り大きな三叉槍を作り出す。
三叉槍を脳無の頭に打ち込み、地に縫い付けるとしばらく暴れた後、そいつは動かなくなった。
恐らく、頭が弱点なのだろう。
刺さったままだから再生も働かない。
そのため倒れたのだろう。
残りは空中にいる脳無だけだ。
『脳無!こいつの弱点は頭だ!』
リキッドさんからの通信が入ると同時にヒカルさんのレーザーが脳無の肩翼を撃ち抜いた。
一瞬バランスを崩したと思ったがすぐに再生され、1人のヒーローを連れて飛び上がった。
流石に上空までは風のバリアが貼られていなく、飛び去っていく。
「上空まで貼れずすいません!」
『いや、大丈夫だ!』
それと同時にヒカルさんが足場を作ってやつを追っていく。
周囲を見れば火も消え、これ以上ここで私たちができることはないだろう。
先程の振動を思い出し、携帯を見てみるとそこには緑谷からメールが送られてきた。
中身は件名も本文もない。
あったのは位置情報のみ。
江向通り4-2-10の細道。
そこが位置情報が指し示す場所だ。
同じ保須市内。
ここからそう離れていない場所。
ちなみに連絡先は何かあったときのために相澤先生の指示によってクラスメイト全員と交換している。
飯田を探していたようだが何かあったのだろうか?
援軍としては少し遅い気もするが、念のため行ってみるに越したことはない。
「あの!ハルカさん!……お願いがあるんですが……」
「ん?どうした?」
上空からテレポートして地面にトンッと音を立てて降り立ったハルカさんに駆け寄り声をかければ彼はすぐに振り向いてくれた。
「江向通り4-2-10の細道。そこまで私をテレポートさせてくれませんか?」
「何かあるのか?」
「知り合いが人を探していたみたいなんですけど、さっき位置情報だけがクラスメイト全員に一斉送信で送られてきていて……。彼、いつも細かい情報とか纏めているタイプだから少し不自然で、何かあったんじゃないかって……。少し時間経っちゃったので今更遅いかもですが、気になるんです……」
「……そうか。ステラさん。聞いていたか?」
『ええ。聞いていたわ』
「お願い、聞いてあげてもいいか?」
言葉を交わす2人の声には何故だか分からないが、どこか柔らかい気がした。
『違和感がある。それは、普通じゃないってこと。普通じゃないってことは普通じゃなくす何かがあったってことよ。それは十分事件の可能性がある。セレネとハルカで先に現場に急行しなさい!』
「はいよ!」
「!ありがとうございます!」
ステラさんの許可をもらい、差し出されたハルカさんの手を握った私は事件現場を後にし、江向通り4丁目へとテレポートした。