職場体験編
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静岡から新幹線に乗って東京へ。
警察庁の近くにあるテナントビルの4階にあるオフィス。
そこがステラ事務所だ。
「待っていたよ。奏ちゃん」
「お久しぶりです。ステラさん」
インターホンを押すと紫髪に青い瞳の美人女性が出てきた。
タンクトップにパンツとかなりラフなスタイルだがとても似合っている。
プロヒーロー、ステラ。
その人だ。
ステラさんに連れられて応接室のような場所に通される。
かけてと言われ、お言葉に甘えて椅子に座る。
いい椅子を使っているのかふかふかだ。
「数ヶ月ぶりだね。体育祭見たよ。惜しかったね。でも、いい戦いっぷりだった」
「ありがとうございます。勿体無い言葉です」
「もう、そんなに固くならなくていいって言ってるのに……。でも、まあ、私の事務所に来てくれたってことは、力になってくれるってことだよね?」
「はい。そのつもりで来ました。色々勉強させてください」
「うん。よろしい!じゃあ、1週間よろしくね」
「こちらこそ、よろしくお願いします」
ステラさんは眩しい笑顔でこちらに笑いかける。
彼女はいつも表情が明るく、笑顔が絶えない。
言葉遣いも最初に会った時からラフで親しみやすい。
私とは正反対の人だ。
「初日早々悪いんだけど、今日徹夜でさ。私はこれから寝るんだよね」
「だからそんなラフな格好なんですね」
ステラさんはあくびを噛み殺したような表情をした。
いくらパトロールに出ていないからといって、ラフすぎる気がしていたのだが、これからオフなのであれば納得がいく。
「そうなの。だから、明日からは私がつくから今日は他の人から色々教わるように。ちゃんと教育係はつけているから安心して」
「分かりました」
「よし!じゃあ、着いてきて。うちのサイドキックたちに紹介しないといけないからね!」
そう言うとステラさんは立ち上がり、カツカツとヒールを鳴らしながら歩いて行く。
私はその後を急ぎ足でついて行く。
「そういえば、ヒーロー名決まった?」
「この前、授業で決めました」
「なんて名前?」
応接室から出た途端、思い出したようにステラさんはヒーロー名について聞いてきた。
私の答えに彼女は興味津々の顔で問いかけてくる。
「……セレネです」
「……セレネ……。セレネか。うん!いい名前じゃん!」
「ありがとうございます」
「星の私と月の奏ちゃん!名前の相性もピッタリだね!」
「……そうですね」
そう冗談めかして言うステラさんに適当に相槌を返す。
自身で光り輝く星とは違って、月は太陽のおかげで輝いている。
要は太陽がないと月は夜道を明るく照らすことはできないのだ。
月自身にはなんの力もない。
私も月と同じだ。
太陽は私の個性。
月も光がなければそこにある価値がないのと同じように、個性がないと私に価値はない。
私自身は月のように何もないからっぽの人間だ。
そんな私にお似合いな名前。
ミッドナイト先生に言ったのも本当だが、このこともあって私はこの名前を選んだのだ。
「……」
そんなことを考えていた私をステラさんが難しい顔で見ていたなんて少しも気が付かなかった。