雄英体育祭編
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表彰式が終わり、体育祭は終わった。
生徒たちはHRの後帰宅となるため、1-Aは早退した飯田を除いて教室に揃っていた。
相澤先生が事務連絡を淡々としていく。
体育祭の振替休日として明日、明後日は休校。
体育祭の一つの目的でもあるプロからの指名等を相澤先生がまとめて休み明けに連絡するとのことだった。
(3位か……。あの人たちが見ていたら激怒していただろうな……)
そんなことを思いながら帰ろうと席を立つ。
体育祭の熱がまだ冷めやらず賑わう教室を後にする。
「天野」
「……轟」
校門を通ろうとした時に轟に呼び止められる。
「ちょっと聞きたいことがある」
「なに?」
「……身体、もうなんともねぇか」
「うん」
「そうか」
「轟が運んでくれたんだってね。ありがとう」
「いや。別に……」
「………」
「………」
それきり轟は口を開かない。
お互いあまり話さないタイプだ。
仕方がないのかもしれないが、少し気まずい雰囲気が流れる。
「……要件それだけなら帰るけど……」
「……俺に試合で言った言葉……」
「……?」
「あの時、俺の周りにはたくさんの人がいると言った。だけど、その中に天野……お前が入っていなかった気がするのは気のせいか?」
「!」
よく気がつく。
私はあえてあの時自分の名前を出さなかった。
だって、私は人の気持ちにおいて力になることはきっとできない。
だから、私は本当の意味でヒーローになれる日は、人の力になれる日はきっと来ないだろう。
「……気のせいじゃないよ。私じゃ轟の力にはなれない」
「なんでだ?」
「……私はからっぽの人間だから」
「それってどういう……」
「じゃあ、また学校で」
そうして私はまだ聞きたそうにしている轟から逃げるように背を向けて空を飛んだ。
轟には去っていく天野の背中が消えてしまいそうなほど小さく見えた。