雄英体育祭編
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「はぁッ……」
氷結で凍らせても炎で溶かされる。
炎の個性を持つ天野相手に氷結だけで対抗するには限界がある。
身体も冷えて、震えてきた。
俺が使える氷結に限界があるのと同じで、天野にもどこかで必ず限界がある。
重力操作の弱点は掴んだ。
あとは天野が天元といっていた気候エネルギーの弱点だけだ。
天野は圧縮した風の球を銃のような人差し指に纏わせ発射していく。
俺はそれを避けたが近くに来たと同時に圧縮していた風が膨張し、凄まじい風を巻き起こした。
緑谷の時のように氷で威力を殺していくが場外ギリギリまで追い詰められた。
そして更に身体には霜が降りていく。
対して天野には試合前と比べて変わった様子はどこにも見られない。
この状況で炎を使用しないで勝つのは無理があるだろう。
(炎を使うしかないのか…?)
そう思うと同時に様々な思いが駆け巡る。
親父の思い通りになるだけなんじゃねぇのか。
自分がどうすべきか、自分が正しいのかどうか分からない。
すると天野が口を開いた。
「……何を悩んでいるのか私には分からないけど……過去は変えられない。過去に起こしてしまったことは未来で精算するしかない。自分と他人は違う人だからぶつかることだってある。傷つけてしまうことだってある。相手と向き合うことも、自身の罪や弱さを認めることもとても勇気がいるし、辛くて、大変なこと」
そう言葉を紡ぐ天野の顔は、瞳はどこか遠くを見つめているような……空虚なように見えた。
「でも、だからこそ、頑張れ。1人で無理なら、頑張れないなら周りに助けて貰えばいい。どうすればいいって相談すればいい。轟の周りにはたくさんの人がいる。おせっかいな緑谷も他のクラスメイトも先生も」
そう言って天野が1-Aの観覧席を見やり、つられてそちらを見ればクラスメイトの奴らがこちらをみていた。
視線に気がついた切島、上鳴、瀬呂は手も振っている。
緑谷も笑ってこちらを見ていた。
「あなたは1人じゃない」
「!」
その言葉に胸が熱くなった。