Tomorrow is another day
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「ん?ナマエ。こちらを向け」
そう言われ口元を拭われたクソ女の顔に何故だかムカついた。たったそれだけで顔を赤くしてるのを見る限り男に慣れてねぇのは分かるが、だからって理鶯にそんなツラ見せる必要はねぇんじゃねぇかと思う。が、次の瞬間そんなことを考えちまってる自分が分からなくなり、ぐちゃぐちゃの気分のまま訳もわからず奴の手を取った。
『え…なんですか碧棺さん?』
案の定困惑していた顔をされた。だが手を払われるようなことはされず、そのまま大人しくオレの次の言葉を待っている。だからヤツの目を見て名前で呼べと言えば多少不思議そうな顔をしていたがそれもまた頷く。するとさっきの妙なムカつきは消えた。かと思えば理鶯も名前で呼べと言いやがるもんだからそれにも素直に頷き、最後は嬉しそうに笑って手を振っていた。あんなゲテモノ振舞われて何が嬉しいんだか。
『あの…もう手離して貰っても大丈夫ですけど…?』
帰り道もなんとなく手を握ったまま歩いてるとそう言われたがガン無視していた。すると諦めたのかクソ女もそのままオレの後を付いてくる。振りほどかれるのかとも思っていたがそうだはないようだ。
『今日はありがとうございました。理鶯さん紹介して頂いて』
「……」
まただ。またこの訳わかんねぇイライラがやってくる。大体コイツのためじゃなくて自分のために連れてきたのに礼を言われるってなんなんだクソが。また腹が立ってきたと思ったが、奴は何を思ったかオレに一歩近づき言った。
『どうかしました?左馬刻さん?』
オレの目だけを真っ直ぐ見つめ、オレの名を呼ぶナマエ。身長差のせいで意図せず上目遣いになったコイツに息が詰まる。
「…いやなんでもねぇ。じゃあな」
これ以上この女の目を見てると自分がどうすればいいかわからなくなりそうだった。だから背を向けて歩き出す。するとまだ視線を感じるがそれもまた何処か心地が良い。一体オレはどうしたいのか。まだ何もわからないがどうもナマエに名前を呼ばれ、見つめられるのは悪くねぇ。女にこんなことを思うなんて思っても見なかったが、どうやらそれだけは確かだ。
I couldn't get to sleep anyway.
-どうせ寝つけないんだ-