Tomorrow is another day
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『…っるしいって言ってんでしょうがぁぁぁ
!!!』
思いのほかドスの効いた声とまともに入れば結構なダメージを喰らう頭突きをかましたヤツはなんてことはない普通のオンナだった。
* * *
「チッ…」
強い日差しに目が眩み、暑いというただそれだけで無性にイラついてくる。早々に家に帰りシャワーん浴びたくなるが生憎この後は組の奴らと合流しなきゃなんねぇ。あぁクソめんどくせぇな。そう思って舌打ちした瞬間背後から声を掛けられた。
『すみません、お尋ねs「あ"ぁ?」ひっ!?』
イラついてる時に誰が声を掛けてきたのかと思えば知らない女だった。見るからに仕事帰りそうなその女はオレと目が合った瞬間小さく悲鳴を上げた。そしてそのまま立ち去る…のかと思いきやこのオレ様に道を聞いてきやがった。なんだこの女。変わってんな。そう思った矢先今度はヒプノシスマイク目当てのダボ供が周り囲み何を血迷ったかその女を人質変わりにした。
「どうしたコラ?かかってこねぇのか?」
「…クソが。ウゼェから喋んなや」
「あぁ!?」
流石にカタギの、それも女を巻き込むわけにもいかねぇが少しは我慢して貰う。そう思い大きく一歩踏み出した瞬間、女は盛大に頭突きを喰らわし、あろうことかテメェを捕まえていた男をブッ倒したんだから流石に驚いた。そして周りの連中も呆気にとられたのか、その隙を突いて他の奴らをまとめて沈めた。ところであの女はどうした?自分がのした男を踏みつけてたりすんのか?
『だ、大丈夫ですか?すみません!しっかりして下さい!』
「……」
おいおいそんなんありかよ。自分がノックダウンさせた相手にあろうことか謝ってやがる。なんだコイツ面白ぇ。少し興味が湧いて地面に座り混んでる女の元まで行って名前でも聞こうと思った時。サイレンの音と同時に見知った奴が現れた。
「…全く。やっぱりお前か」
ビシッと七三に分けた髪型に眼鏡。型にハマり過ぎてる見た目とは正反対な男がやれやれなんて首を振ってオレの方へと歩いてきたと思ったら女の姿に気づいたのか、少し目線を落としていつもの胡散臭い笑顔を浮かべた。
「もう大丈夫ですよ。お怪我は?」
『い、いいえ!!ど、ど、どこも何も大丈夫です!!』
「それならば安心しました。さて…貴方は一体どのような経緯でこの男に巻き込まれたのでしょうか?良ければお話を伺っても?」
『はい…でもその前に…』
妙に神妙な面持ちでソイツは両手を銃兎の前に出した。なんだコイツ。さっきから挙動不審だしどうしたってんだ。
『私…暴行罪とかなんとかで捕まりますよね…?』
「ブッ!!??」
「は?」
横で銃兎がワケわかんねぇみたいな顔してるがオレはもう吹き出すしかなかった。
「クククッ…!テメェ面白ぇな!!何だそれ!?」
「おい左馬刻。何だってんだ?」
全く状況が読み込めてないせいかいつものウゼェ笑顔は消えて素の銃兎が苛立たしげにオレを見やがるから事の顛末を話して聞かせ、ようやく奴も納得した。
「なるほど。つまり頭突きで大の男一人を気絶させた…と」
『はい…』
腹を括ったようなその表情に更に笑けてくる。この女本気でそう思ってんのか寧ろ怪しくなってくる。ただの偽善者の戯言なのか。だが女を見る限りそういうような嘘くせぇものは感じない。だとするとやっぱりマジなのか。そうなのか。おいやっぱりコイツ面白ぇ。
「おい銃兎。まさかこの女しょっぴくとか言わねぇよな?」
「んなことするか。寧ろ相手が被害を申し出ねぇだろ。女に頭突きして気絶しました、なんて」
『す、すみません…』
「あ…いえ。えーっと、他意はありませんよ」
「おい。今更いい子ぶっても遅ぇぞ」
「うるせぇ。お前をしょっ引いてやろうか」
気が抜けた所為なのか女の前で普段の話し方をしてしまった手前少し気まずそうな銃兎をからかえば案の定の答えが返ってくる。が、何はともあれ先ずはコイツだ。
「で、テメェの名前は?」
『ミョウジナマエ、です』
「オレ様は碧棺左馬刻だ。ちょっと顔貸せや」
You're not supposed to be here.
-ここにいるのは、まずいぜ-