Tomorrow is another day
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「かかってこいや!!あぁ!?」
「女がいるから手が出せねぇかオラ!!」
『く…苦しい…!ギブギブ…ッ』
今私の首には屈強…とまではいかないかもしれないが充分に拘束するだけの力を持った男の腕が巻きつき、ぎゅうぎゅうと締めている。今日は早引けでいつもよりのんびり過ごせる1日になるはずだったのに何がどうしてこうなった。それを知る為にはまず遡ることほんの数十分前である。
* * *
「すまん!これコピー頼む!」
『はい、分かりました』
日々の業務をこなし、ようやく一息ついたところで今日は早めに上がって大丈夫だと上司から言われた私は遠慮なくその言葉通り帰り仕度を始める。少し寄り道してつまみとお酒でも買っていこうか。いや前から気になってた本を買ってコーヒー片手に読書っていうちょっと洒落た夕方を過ごすのもいい。いやいやそれとも…なんて考えながら歩いていたらちょっと怪しそうな路地裏に入ってしまった。いかん。一見平和そうなヨコハマとは言えまだ危なっかしい場所はある。なるべく早足でその道を通り抜ける。と、いつもとは違う風景が広がる。
路地一本入るだけで見知らぬ土地に来たような気分になるのは不思議だ。さて、ここはどこだろうと辺りを見回すと第一町人発見。ついでに近道でも聞こうかと声を掛ける。
『すみません、ちょっとお尋ねs「あ"ぁ?」ひっ!?』
間違えたー!!!何やってんの自分!?普通後ろ姿で判断するよね!?アロハシャツに白髪ってちょっとは警戒しろよ私!!!
だがしかし刻は既に遅し。声を掛けた手前今更引き下がれない。だけど相手はどう見ても堅気じゃなさそう。まずメンチの切り方の手馴れ感が凄い。そしてメンチカツもさくっと一刀両断出来ちゃう眼光の鋭さ。あ、私詰んだ?
「なんだテメェ。何ジロジロ見てんだよ」
『す、すみません。その…道をお聞きしたくて…』
言った!よく言った自分!本当は尻尾巻いて逃げ出すのが一番いいのかもしれないけどそんな不自然なこと出来ないし足にも自信はない。だから当初の目的通り道を聞いた…ところで見るからに不良そうな男達に囲まれ、あれよあれよと言う間に私は首根っこを掴まれ今に至る。
* * *
「テメェの女か?あぁ?碧棺左馬刻よぉ!!」
まるで人質のように私を捕まえてそういう男に目の前のあの男はそんな大層な名前を持った奴だったのかと酸欠気味の頭でそう思う。だけど例えそうだったとしてもそうじゃなかったとしてもあの碧棺左馬刻とかいう男は遠慮なく突っ込んでくるんじゃないかと思った。が、そうではないらしい。ジリジリと距離をとっているところを見るとほんの少しだけ迷っているようにも見える。なんだ、以外と話しの分かる人なのかもしれない。
そう思った矢先またグイッと首に回された腕か締まる。待て待て、それ以上はマズイ。本当に苦しいし死ぬ。あ、顔が紫になっていく自覚がある。ねぇちょっと気づいてよ。あれ?ねぇホントヤバい苦しいから…
『…っるしいって言ってんでしょうがぁぁぁ!!!!???』
「がっ…!?」
苦しさと訳が分からなくなった私はその持て余した感情を噴火させ、頭上にある男の顎に渾身の頭突きをかましてやった。
『ハァ…ハァ…苦しかった…ってあれ?』
「うぅ…」
『え…嘘…気絶…してる…?』
多少なりとも私の頭も痛かったのでさすりながら倒れた男を確認するけど小さな呻き声を上げたきり動かない。
『え…やだ…すいません!大丈夫ですか!?』
慌てて倒れた男へ駆け寄ると息はしてるものの意識はない。一発K.Oってやつなのか。しかもこれって暴行罪とかに当る?いや正当防衛に入る?ダメだ分かんない!!
取り敢えず男を起こそうとしたその時周りからいくつかの悲鳴が上がった。
「ひ、ひぃ!!お助け…っ!!」
「テメェから売った喧嘩はテメェで責任とれやっ!!」
「や、ヤバイ!あれが“碧棺左馬刻”…!!」
圧倒的強さと言ったところだろうか。数人がかりでその男に挑んでもまるで赤子の手を捻るかのように軽くのしていくその姿はやはりどう見ても堅気じゃない。そして全員倒したあとぺたりと地面に座った私の目の前までやってきて口を開いたその時。
ファンファンファン…
赤く揺れる光と危機感を感じるサイレンの音。
そして現れたのは白黒はっきりつけるその車。
『パ、パトカー…』
あ、今度こそ詰んだ。
I don't know what to do!
-どうしたらいいかわからない!-
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