春、新生活。
dream
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アルバイトが無事に決まり、4月も中頃に入った。
段々とクラスメイトの名前も覚えてきて、月島くんと仲良しの子は山口くんと言うらしい。
山口くんは席は私の隣だったこともあって、何かと話す機会もあり、何となく仲良しにはなりつつある。
山口くんから聞いた話によると、2人はバレー部に入ったらしい。
他にも、2人は小学生の頃からの仲で、同中出身なこと、月島くんの身長、月島くんの得意科目、月島くんの好きな食べ物……を山口くんが言いかけたところで月島くんが制する。
「山口うるさい、喋りすぎ」
「ごめんツッキー!!」
「フン……」
月島くんは、それだけ言うと教室を出てどこかへ行ってしまった。
「仲いいんだね、2人」
いつも口癖のように「ツッキー」を発する山口くんは、怒られてもどこか楽しそうで、2人の仲の良さが伺える。
「そこまでずっと仲良しな子、私には居ないから羨ましいや」
いつもニコニコと話をしてくれる山口くんに思わず本音を零してしまったけれど、おそらく神様が優しさ成分だけで作られただろう山口くんは、「簗瀬さんは、これから俺たちともずっと仲良くしてねー」と笑ってくれる。
俺達って言われても、仲がいいのはあくまで山口くんだけだけど。
「美子ー。次の授業の課題なんだけどさー……」
離れた席から詩織ちゃんがやってくる。
詩織ちゃんは、進学クラスの中では勉強が苦手な方らしく、時々理系科目が分からなくなって私に助けを求めに来る。
私もどうも世界史が苦手で、暗記科目が得意な詩織ちゃんに教えてもらうこともあるからお互い様。
「あ、そこ俺も分かんなかったから一緒に聞いていい?」
山口くんも加わって、残り5分の休み時間は3人で勉強会の時間へと変わった。
いつの間にか、月島くんは席に戻っていたみたいで、チャイムが鳴る頃顔を上げると見慣れた金髪が目に入った。
なんてことはない、いつもの日常。
それは、和やかに今日も流れていった。