春、新生活。
dream
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
入学式の日は、式典のあと教室で自己紹介があった。
出身中学と名前を言うくらいだから、難なく終わった。
先生から配られたプリントの中に目を落とす。
時間割に、課題、入部届用紙、クラス名簿、座席表、定期券発行証明書類……
入学早々課題まであるんだ…と少しゲンナリしたが、式典終わりの移動中を思い出し、金髪の彼の名前が気になった。
金髪の彼……確か自己紹介の時、ツキシマって言ってたはず……あった。
『月島 蛍』
月島くん、か……
ホタルくん、綺麗な名前だな、と思った。
月も蛍も夜に輝く綺麗な光で、黒い詰襟の制服に金髪で、無表情な彼にぴったりな名前だと。
「今日はどの部活も活動してるから、気になる部活がある人はこの後見に行くように。入部届は明日から各部で受付します」
先生が淡々と話をする。
部活か……。
中学時代はクラブ活動が強制参加だったから、細かい作業が好きなわたしは手芸部に所属していたけれど、高校生になった今は、放課後にアルバイトするつもりだった私には無縁のことだ。
定刻になり、クラスメイトが席を立ち始める。
っと、私も今日面接があるんだった。
綺麗な名前の、
君が体育館へ歩く姿を尻目に見、足早に学校を後にした。