初夏、予感。
dream
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「ソレ、まだ今日使ってないから、そのまま使って」
さすがにいつまでも隣のクラスに居座るのも良くないので、自分のクラスへ戻るために廊下へ出た。
「美子!?」
廊下に出ると、向こうから詩織ちゃんが走ってきた。
「えっ、ちょ、美子?大丈夫だった?」
多分、私が心配でずっと待っててくれたんだと思う。
詩織ちゃんが私に駆け寄ったのを確認すると、「じゃあ、後よろしく」と、部活へと戻るために背中を向けた。
「つ、月島くん!助けてくれて、ありがとう」
「イエイエ、気を付けて帰りなよ」
月島くんは走って戻って行った。
私は借りたタオルを握りしめたまま、バイト先へ向かう。
道中、詩織ちゃんにも事のあらましを伝えると、「じゃあもう大丈夫だね」と安心した様子でPatisserie Hoshinoまで送り届けてくれた。
帰宅後、月島くんに連絡を取る。
『今日は助けてくれてありがとう。タオルまた返します』
宿題でもしようと机に向かうと、スマホが震えた。
『もしもし、月島だけど』
『今日は怪我してない?』
電波を通じていつもより少し低く感じる月島くんの声が受話器の向こうから聞こえる。
「うん、大丈夫だよ。ありがとう。タオルもまた洗って返すね」
『別にいつでもいいから。それより、今度の木曜なんだけどさ、店行っていい?』
「うん!待ってるね」
月島くんがまた遊びに来てくれることに自然と顔が綻ぶ。
中間テストのお礼も兼ねて何かプレゼントしたいな……
スケジュール帳とパソコンを開き、予定を確認する。
『それじゃ、早く寝なよ。おやすみ簗瀬さん』
「あ、うん、ありがとう……月島くん」
電話を切って、パソコンで調べ物を開始する。
「えーと、バレー 欲しいもの ……検索っと」
ああ、プレゼントはこれにしよう。
スケジュール帳に予定を書き込み、ついでに軽く宿題を済ませる。
月島くんに早く寝ろって言われたし、今日は目を冷やしたら早寝しよう。