初夏、予感。
dream
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番外編 Side Yamaguchi.
俺の親友は、とことんモテる奴だと思う。
いじめから救ってくれたあの日から、俺にとってはヒーローで、優しくて、バレーも上手くて、男の俺から見たってカッコイイ。
女子は別にそんな優しいところやヒーローだった所なんて知らなくても、ツッキーの端正な顔立ちやクールなところ、他の男子とは違うオーラとかに惹かれるみたいで、昔から俺はツッキー宛のラブレターをよく預かる。
まあ、ツッキーはラブレターとか色恋沙汰に心底興味が無いみたいで(それはそれで親友としては少し心配だけど)、代わりに渡してあげてもマジで嫌がられるから、最近では預かっても俺がこっそり処分したりしてる(ごめんね女子達)。
だから、ツッキーには恋愛感情なんて殆ど無いんだと勝手に思い込んでいた、最近まで。
きっかけは、何だったんだろう。
Patisserie Hoshinoで、簗瀬さんに中間テストの勉強を教えてあげていたことには心底驚いた。
ツッキーが嬉しそうにしている姿なんて久しぶりに見たし、俺にとってのヒーローが笑ってくれるなら俺も嬉しいと思っていた。
でも、そのときの簗瀬さんの笑顔を見て、俺は自覚する。
俺は簗瀬さんが好きだ。
それから、これは長年親友をしていた俺の勘だけど、ツッキーもそのうち簗瀬さんのことを好きになると思うし、簗瀬さんもきっとツッキーが好きになると思う。
ツッキーのあんな嬉しそうな顔もそうだけど、簗瀬さんが無邪気な笑顔を見せるのは、ツッキーと話す時だけだ。
俺は毎日話してても、あんなにくしゃっと笑う簗瀬さんは知らない。
だから、ふたりが自覚するまでは。
俺もふたりのこと、守りたいって思うんだよ。
「ツッキーじゃなくてごめんね」
つらそうな簗瀬さんを見ていられなくて、思わず抱きしめてしまったけれど、これが最初で最後だから、ツッキー許してね。
抱きしめた時、後ろから立ち去る足音が聞こえた。
あれは多分、俺と一緒でテーピングを忘れてしまっていたツッキーのものだったんだと思う。
だから、簗瀬さんが嫌がらせにあったの知ってるんでしょ。
だから、簗瀬さんに何か起きないように、誰よりも早く教室を出て、下駄箱見張ったりしてるんでしょ。
親友を舐めないで欲しい。
それくらい、知ってるよ。
だから俺も、ツッキーが居なくなった教室で、彼女の護衛をしていたけど、もうそれも必要なさそうだね。
俺より先に体育館へ向かったはずのツッキーが練習に遅刻したと思ったら、いつになく真剣な顔で「……教室に忘れ物したので取りに戻ってました」って。
ただの忘れ物で20分も練習遅れるわけないじゃん。
ツッキーの顔は少し赤くて、でも、どこか晴れやかだった。
よかった、ちゃんと守れたね。
俺の親友は、やっぱりヒーローだと思う。
大好きなふたりだから、早く幸せになってよね。
俺の親友は、とことんモテる奴だと思う。
いじめから救ってくれたあの日から、俺にとってはヒーローで、優しくて、バレーも上手くて、男の俺から見たってカッコイイ。
女子は別にそんな優しいところやヒーローだった所なんて知らなくても、ツッキーの端正な顔立ちやクールなところ、他の男子とは違うオーラとかに惹かれるみたいで、昔から俺はツッキー宛のラブレターをよく預かる。
まあ、ツッキーはラブレターとか色恋沙汰に心底興味が無いみたいで(それはそれで親友としては少し心配だけど)、代わりに渡してあげてもマジで嫌がられるから、最近では預かっても俺がこっそり処分したりしてる(ごめんね女子達)。
だから、ツッキーには恋愛感情なんて殆ど無いんだと勝手に思い込んでいた、最近まで。
きっかけは、何だったんだろう。
Patisserie Hoshinoで、簗瀬さんに中間テストの勉強を教えてあげていたことには心底驚いた。
ツッキーが嬉しそうにしている姿なんて久しぶりに見たし、俺にとってのヒーローが笑ってくれるなら俺も嬉しいと思っていた。
でも、そのときの簗瀬さんの笑顔を見て、俺は自覚する。
俺は簗瀬さんが好きだ。
それから、これは長年親友をしていた俺の勘だけど、ツッキーもそのうち簗瀬さんのことを好きになると思うし、簗瀬さんもきっとツッキーが好きになると思う。
ツッキーのあんな嬉しそうな顔もそうだけど、簗瀬さんが無邪気な笑顔を見せるのは、ツッキーと話す時だけだ。
俺は毎日話してても、あんなにくしゃっと笑う簗瀬さんは知らない。
だから、ふたりが自覚するまでは。
俺もふたりのこと、守りたいって思うんだよ。
「ツッキーじゃなくてごめんね」
つらそうな簗瀬さんを見ていられなくて、思わず抱きしめてしまったけれど、これが最初で最後だから、ツッキー許してね。
抱きしめた時、後ろから立ち去る足音が聞こえた。
あれは多分、俺と一緒でテーピングを忘れてしまっていたツッキーのものだったんだと思う。
だから、簗瀬さんが嫌がらせにあったの知ってるんでしょ。
だから、簗瀬さんに何か起きないように、誰よりも早く教室を出て、下駄箱見張ったりしてるんでしょ。
親友を舐めないで欲しい。
それくらい、知ってるよ。
だから俺も、ツッキーが居なくなった教室で、彼女の護衛をしていたけど、もうそれも必要なさそうだね。
俺より先に体育館へ向かったはずのツッキーが練習に遅刻したと思ったら、いつになく真剣な顔で「……教室に忘れ物したので取りに戻ってました」って。
ただの忘れ物で20分も練習遅れるわけないじゃん。
ツッキーの顔は少し赤くて、でも、どこか晴れやかだった。
よかった、ちゃんと守れたね。
俺の親友は、やっぱりヒーローだと思う。
大好きなふたりだから、早く幸せになってよね。