初夏、予感。
dream
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ついに来てしまった。
中間テスト初日。
中間テストは計3日間に分けて実施する予定で、午前中のみ試験が実施されて、昼休みくらいの時間に下校になる。
テスト期間中は当然部活動も活動停止で、この間だけは私もアルバイトはお休みする事にしている。
問題の世界史は最終日。
月島くんにアドバイスは貰ったものの、カタカナの人の名前がごっちゃになっていてまだ全然自信が無い。
救いなのは、世界史の試験日は最終日で、得意な数学と2科目だけなこと。
今日と明日で追い込まなきゃ……
今日の分の試験が終わり、帰りの支度を始める。
「簗瀬さんは今日解けたー?」
山口くんが少し疲れた顔で私に問いかけた。
「おつかれー、今日はまだ大丈夫だよ、明後日の世界史が1番ネックかな」
「簗瀬さん暗記系苦手なんだっけ、俺は今日の英語がやばかったよ…」
そこへ、帰り支度を済ませた月島くんがきて、山口くんも連れて帰っていった。
「美子〜?帰るよー」
詩織ちゃんが呼んでる。
私も帰ろっと。
アルバイトもないから家で昼食の準備に取り掛かる。
うちは共働きで父さんは単身赴任で東京、私が高校生になってからは母さんも出張が増えたこともあって、今まではせいぜい自分のお弁当を作る程度だったけど、最近は夜ご飯の支度とかも自分でするようになった。
今日は何作ろうかな…SNSにあがっている、知らない人が作ったお昼ご飯の写真を見て参考にする。
まだまだレパートリーが少ない私にとって、SNSって結構助かるんだよね。
そんな時、スマホの通知が鳴った。
月島くんからだ……
『世界史まだ困ってるの?』
月島くん、山口くんとの会話聞こえてたのかな。
『正直ピンチです』
今日も世界史覚えなきゃな……
「!?」
今度はけたたましいバイブレーションと共に電話が鳴る。
慌てて着信した相手も確認せずに出てしまった。
「もしもし……?」
『あー、もしもし。僕、月島だけど。そんなに困ってるなら……教えてあげようか』
一瞬、月島くんが何を言っているのか、分からなかった。