初夏、予感。
dream
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月島くんがケーキ屋さんに来るようになって、しばらく経った。
私は中間テスト対策のために教室に居残り、1人で勉強をしていた。
家で勉強してもいいけれど、アルバイトの時間を減らしてバイトまでの間教室で勉強している方が時間にロスも少ないからね。
「キミ、勉強してるの?」
頭上から声がするのは月島くんに決まってる。
「わあ、月島くん。中間テストの勉強だよ、月島くんは?」
「ちょっと忘れ物」
苦手な暗記物…主に世界史なんだけど。それと戦いながらちらりと月島くんの方を見ると、月島くんも来週からの定期テストのために教科書を机から取り出していた。
そのまま窓際の席の私の机まで来て、苦戦した私を小馬鹿にしたように笑っていた。
「なに?キミ世界史苦手なの」
「あはは、私暗記物苦手で……」
じっと私が苦戦したページを眺めてから、「ああ、」と呟いた。
「世界史は人の話なんだから、ストーリー仕立てに覚えるといいよ、ま、程々に頑張んなよ」
ポン、ポン、と私の頭に月島くんが手を乗せて、「じゃあね」と教室を後にした。
「あ、ありがと……」
かおがあつい。
やっぱり自分が変だ。
急に心拍数は上がるし、月島くんと話すと一気に顔が熱くなる。
……変に、思われてないかな。
不意に、嫌われたくない、そんな感情が湧き上がった。
いや、だな。
……でも、今は勉強しなくちゃ、と思って時計を見ると5時半を指していた。
バイト6時からだ!
勉強は明日またやろう……
帰る途中、下駄箱で、どこからか痛い視線を感じたような気がした。