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アルが愛情込めて育てた畑で収穫した野菜を使ったディナーは、長年料理をしてきた私が自信を失くしてしまいそうになるほどの素晴らしい出来だった。
一流のシェフが作りました、と言われたら信じてしまうくらいに。
見よう見真似で作ったというローストビーフは柔らかくてしっとりとしている。色味も文句なしでぺろりと完食してしまいそうだ。
もうひとつはチーズフォンデュ。たくさん野菜を味わってほしいから、とアルらしい気遣いで野菜をメインに具材を揃えてくれている。
中でもミニトマトはレッド・イエロー・オレンジと彩りが綺麗で食が進みそうだ。
「肉料理だけじゃ偏るから、これなら野菜もたくさん食べれると思って。同じ種類でも色や形が豊富で面白いよね」
「このトマトなんてすっごく甘くて美味しいよ。チーズが乗ってたらカプレーゼみたい」
料理は正直アル任せだったのだけど、流石にデザートまで舌が蕩けそうなものを出されてしまったら、完敗してしまうのではないかという妙な対抗意識があり、デザートは私が担当することになっていた。
デザートはストロベリーをふんだんに使ったチョコレートショートケーキ。もちろんストロベリーはアルが収穫したものだけど、その他の材料は私が自ら調達したもの。
だって料理と名のつくもので、男性であるアルに負けたくなかったから。
それに美味しいものを食べて、笑顔になるあなたを見たいから。
「ん、美味しい! ねぇ、このチョコはもしかしてチョコレートの国で手に入れたの?」
「うん、クリスマスだから特別なものを使いたくて。ほら、こうやってゆっくり一緒に食事なんてなかなかできないでしょう?」
寒い季節に行われるクリスマスは家族や恋人たちの距離をぐっと近付ける。
クリスマスツリーや降り積もる雪を見ながら、ご飯を食べたり、肩を寄せ合ったり。
それは私達も同じこと。だけど私達は王子と姫だから、個人を優先することはできない。
だけど今日は偶然にも休みが同じように取れたから、今日だけはみんなと同じように振る舞ってもいいよね。
「そうだね、君は旅だってあるし公務だってある。だけど帰る場所があるってことは覚えておいて。僕も君の帰りを待ってるし、必ず帰ってくるから」
時間の経過と共に家具や日用品が増え、アルが愛情を注ぐ畑には四季折々の花が咲き、それらはやがて私達を構築する栄養となる。
アルが不意に私の指に自らのそれを絡めた。
嬉しいけれどわけもなく照れ臭くて、私は子供みたいに頬を染めたまま俯いてしまう。
横目にアルを見ると、キュート属性ならではの無邪気な笑顔はまるで子犬のようで、私は完敗してしまうのだった。
一流のシェフが作りました、と言われたら信じてしまうくらいに。
見よう見真似で作ったというローストビーフは柔らかくてしっとりとしている。色味も文句なしでぺろりと完食してしまいそうだ。
もうひとつはチーズフォンデュ。たくさん野菜を味わってほしいから、とアルらしい気遣いで野菜をメインに具材を揃えてくれている。
中でもミニトマトはレッド・イエロー・オレンジと彩りが綺麗で食が進みそうだ。
「肉料理だけじゃ偏るから、これなら野菜もたくさん食べれると思って。同じ種類でも色や形が豊富で面白いよね」
「このトマトなんてすっごく甘くて美味しいよ。チーズが乗ってたらカプレーゼみたい」
料理は正直アル任せだったのだけど、流石にデザートまで舌が蕩けそうなものを出されてしまったら、完敗してしまうのではないかという妙な対抗意識があり、デザートは私が担当することになっていた。
デザートはストロベリーをふんだんに使ったチョコレートショートケーキ。もちろんストロベリーはアルが収穫したものだけど、その他の材料は私が自ら調達したもの。
だって料理と名のつくもので、男性であるアルに負けたくなかったから。
それに美味しいものを食べて、笑顔になるあなたを見たいから。
「ん、美味しい! ねぇ、このチョコはもしかしてチョコレートの国で手に入れたの?」
「うん、クリスマスだから特別なものを使いたくて。ほら、こうやってゆっくり一緒に食事なんてなかなかできないでしょう?」
寒い季節に行われるクリスマスは家族や恋人たちの距離をぐっと近付ける。
クリスマスツリーや降り積もる雪を見ながら、ご飯を食べたり、肩を寄せ合ったり。
それは私達も同じこと。だけど私達は王子と姫だから、個人を優先することはできない。
だけど今日は偶然にも休みが同じように取れたから、今日だけはみんなと同じように振る舞ってもいいよね。
「そうだね、君は旅だってあるし公務だってある。だけど帰る場所があるってことは覚えておいて。僕も君の帰りを待ってるし、必ず帰ってくるから」
時間の経過と共に家具や日用品が増え、アルが愛情を注ぐ畑には四季折々の花が咲き、それらはやがて私達を構築する栄養となる。
アルが不意に私の指に自らのそれを絡めた。
嬉しいけれどわけもなく照れ臭くて、私は子供みたいに頬を染めたまま俯いてしまう。
横目にアルを見ると、キュート属性ならではの無邪気な笑顔はまるで子犬のようで、私は完敗してしまうのだった。