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「それじゃあ行ってくるね」
「おう、気をつけてな」
前々から予約していたクリスマスケーキを取るために、ショコルーナに行くと言う姫を送り出す。ご苦労なこったな。
トルークビルにいた頃は食事担当は俺だったからな。基本何でも作れるが、チョコレートの国のスイーツと比較したら負けちまうのは目に見えてるしな。
まあ何にせよ姫が帰ってくるまで時間はある。
戦闘も料理も大人数相手は任せとけ。俺の長年培ってきた経験が活かされるってわけだ。
姫は公務で多忙だし、一緒に過ごしてわかったことだが食が細いからな。デザートは別腹らしいから間食は多いが。クリスマスとやらに乗じて栄養たっぷりの料理を食べさせてやらねーと。
まずはオードブルだよな。ピンチョスにブルスケッタ、後は揚げ物攻めでいくとするか。唐揚げにポテト、あとはナゲット。メインはローストチキンだ。
旅の道中ではロクなモン作れないし、兄弟達とじゃ飯の奪い合いになっちまうしな。ここじゃあそれもないし、野菜や調味料以外も豊富で用意に手に入れられるからありがてーな。
姫の厚意で隠れ家の庭に野菜やら果物やらを植えている。世話してやらねーとちゃんと育たねーからな。定期的に手入れするためだけにここを訪れることもある。
姫は美人ってわけじゃねーが、美味いモン食ってる時の笑顔が一番可愛いんだよな。本人の前じゃ言わねーが。
姫の笑顔を思えば、料理も楽しくなるってもんだ。早く帰ってこねーかな。
「イザーク、ただいま」
姫がケーキが入っているであろう箱を持って帰宅した。時間はもう夕飯時だ。
俺が腕によりをかけて作った料理がテーブルに並ぶ。
姫は驚きと喜びで笑顔を見せてくれた。そうだ、その顔見たさに一日中キッチンに立ってた甲斐があるってもんだ。
「すごい量だね。こんなに食べれないからみんなに分けてあげようか? お兄ちゃんがいなくてみんな寂しがってるでしょ」
「明日に回すか、冷凍してまた食えるし気にすんな。ここにいる時くらい、他の男の話出すんじゃねーよ。兄弟でもな」
「ご、ごめん」
別に責めてるわけじゃねーんだ。お前の優柔不断とも取れかねない、敵すらも懐柔しちまう優しさが俺だけに向けられるものじゃない、ってのはわかってんだ。
わかってんのにここにいる間はそういうこと、忘れちまいたいんだよ。
トロイメアのお姫様の隣にいるってだけで、随分贅沢なのにな。
「あ、そうそう。クリスマスケーキ、チョコのやつにしたよ。イザーク、チョコ好きでしょ?」
「別に、トルークビルじゃ食えなかったから珍しかっただけだ。ガキ扱いすんなよ。同い年なんだからよ」
「へへっ、本当は好きなくせに〜。あとね、お土産の焼き菓子も買ったの。食後に食べようね。ちょっと待ってて、すぐ着替えてくる」
姫は足早に自室へと向かう。姫の後ろ姿を見送りながら、俺は頬の火照りを感じつつ食事をするための準備を始めた。
クリスマスにはサンタクロースがプレゼントをくれる……だったよな。だったら俺は何も要らねーよ。お前と過ごせるこの穏やかな時間こそが最高のプレゼントだって思えるから、これ以上を望んだら罰が当たっちまいそうだ。
「おう、気をつけてな」
前々から予約していたクリスマスケーキを取るために、ショコルーナに行くと言う姫を送り出す。ご苦労なこったな。
トルークビルにいた頃は食事担当は俺だったからな。基本何でも作れるが、チョコレートの国のスイーツと比較したら負けちまうのは目に見えてるしな。
まあ何にせよ姫が帰ってくるまで時間はある。
戦闘も料理も大人数相手は任せとけ。俺の長年培ってきた経験が活かされるってわけだ。
姫は公務で多忙だし、一緒に過ごしてわかったことだが食が細いからな。デザートは別腹らしいから間食は多いが。クリスマスとやらに乗じて栄養たっぷりの料理を食べさせてやらねーと。
まずはオードブルだよな。ピンチョスにブルスケッタ、後は揚げ物攻めでいくとするか。唐揚げにポテト、あとはナゲット。メインはローストチキンだ。
旅の道中ではロクなモン作れないし、兄弟達とじゃ飯の奪い合いになっちまうしな。ここじゃあそれもないし、野菜や調味料以外も豊富で用意に手に入れられるからありがてーな。
姫の厚意で隠れ家の庭に野菜やら果物やらを植えている。世話してやらねーとちゃんと育たねーからな。定期的に手入れするためだけにここを訪れることもある。
姫は美人ってわけじゃねーが、美味いモン食ってる時の笑顔が一番可愛いんだよな。本人の前じゃ言わねーが。
姫の笑顔を思えば、料理も楽しくなるってもんだ。早く帰ってこねーかな。
「イザーク、ただいま」
姫がケーキが入っているであろう箱を持って帰宅した。時間はもう夕飯時だ。
俺が腕によりをかけて作った料理がテーブルに並ぶ。
姫は驚きと喜びで笑顔を見せてくれた。そうだ、その顔見たさに一日中キッチンに立ってた甲斐があるってもんだ。
「すごい量だね。こんなに食べれないからみんなに分けてあげようか? お兄ちゃんがいなくてみんな寂しがってるでしょ」
「明日に回すか、冷凍してまた食えるし気にすんな。ここにいる時くらい、他の男の話出すんじゃねーよ。兄弟でもな」
「ご、ごめん」
別に責めてるわけじゃねーんだ。お前の優柔不断とも取れかねない、敵すらも懐柔しちまう優しさが俺だけに向けられるものじゃない、ってのはわかってんだ。
わかってんのにここにいる間はそういうこと、忘れちまいたいんだよ。
トロイメアのお姫様の隣にいるってだけで、随分贅沢なのにな。
「あ、そうそう。クリスマスケーキ、チョコのやつにしたよ。イザーク、チョコ好きでしょ?」
「別に、トルークビルじゃ食えなかったから珍しかっただけだ。ガキ扱いすんなよ。同い年なんだからよ」
「へへっ、本当は好きなくせに〜。あとね、お土産の焼き菓子も買ったの。食後に食べようね。ちょっと待ってて、すぐ着替えてくる」
姫は足早に自室へと向かう。姫の後ろ姿を見送りながら、俺は頬の火照りを感じつつ食事をするための準備を始めた。
クリスマスにはサンタクロースがプレゼントをくれる……だったよな。だったら俺は何も要らねーよ。お前と過ごせるこの穏やかな時間こそが最高のプレゼントだって思えるから、これ以上を望んだら罰が当たっちまいそうだ。