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姫に連れられてやってきたスノウフィリアのホテルの窓からは、肩を寄せながら街行く恋人達や家族連れが多く見られた。
姫の頭の中みたいだね。あれだよ、お花畑ってやつ。
クリスマスは大切な人と過ごすんだっけ。てことは俺も少しは期待していいのかな? 姫に男として好かれてるって。
「私がいたところでは雪が降るクリスマスをホワイトクリスマスって言うの。雪って綺麗でしょ?」
「そうかなあ、寒いし外出れないじゃん。まあ外出てもすることないけど。そういうとこは姫と合わないけど、部屋から出ないですむのはいいかな。姫だったら楽しませてくれるんだろうし?」
冗談で言ったつもりなのに、姫は恥ずかしいのか「もう!」と頬を膨らませながら俺の肩を叩いた。
俺も年頃だし、女を知らない年ってわけじゃない。むさ苦しい男連中に囲まれてると女の肌が恋しくなるしね。
まあ姫に出会うまでの話だけど。
特別美人ってわけでもないけど、妙に後ろ髪引かれるというか。恋に落ちるって正にこういうことだろうな。あ、落ちるじゃなくて落とされる、かな。
「それはそうとクリスマスってやつを楽しもうよ。クリスマスは食事も豪勢なんだろうし、今から楽しみだなぁ。イザーク兄さんの食事は美味しいけど、姫の手料理には敵わないだろうからね」
「ご飯はもう作ってるの。だからお腹が減るように運動しようか?」
まさか俺が期待してる方じゃないよね、姫に限って。泥酔してもそんなことできないだろうし。
姫は思い切り、窓を全開にする。冷気とともに雪が入り込んで、せっかく部屋を暖めてるのに意味ないじゃん。なに考えてんの?
「ルーファス、外に出て雪合戦しよう」
「こんなくそ寒いのになに考えてんの? 俺は嫌──」
「クリスマスを楽しみたいんでしょう? 早く早く!」
クリスマスを知らない俺でもそれは嘘だってわかる。
嫌だと何度も言っているのに、無理矢理寒空の下に連れ出される。厚着しててもこれは無理でしょ。
「ルーファス、見て。これをね、こうするの」
姫は雪をかき集めて小さな玉を作ると、俺の肩にぶつけてきた。
雪玉はあっけなくも砕け散り、雪は俺のセーターに溶け込んでいく。
どう考えてもこれは恋人にするイタズラじゃないだろ。罰ゲームだ。
「姫さぁ、本当は俺のこと嫌いでしょ」
「どうして?」
「普通こんなこと恋人にする? 訳わかんねぇんだけど」
「ルーファスはゲーム好きでしょ? 私を雪まみれにしたらルーファスの勝ち。私がルーファスを雪まみれにしたら私の勝ち。どうせゲームするなら何かを賭けない? キスとか」
キス……ね。恥ずかしがってる姫にキスさせるのは悪くない提案だね。そういう提案なら喜んで乗ってあげるよ。
要は雪玉をお姫様に命中させたらいいだけ──俺は雪玉を姫に投げると、軽やかな身のこなしで俺の攻撃を回避した。
っておいおい……そんなのありなんだ?
「私が鈍臭い女と思ってルーファスの雪玉を躱さないとでも思った? ルーファスは甘いんだから」
「いや、それは姫でしょ」
ていうかさ、そもそもこの勝負、姫が勝ってメリットあるの? キスしてるのいっつも俺じゃん。
姫のせいで風邪引いたら、食事も着替えも全部手伝ってもらうから覚悟しときなよ。
あーあ、グズグズにされたのは俺の方かもね。姫には責任とってもらわなきゃね。
姫の頭の中みたいだね。あれだよ、お花畑ってやつ。
クリスマスは大切な人と過ごすんだっけ。てことは俺も少しは期待していいのかな? 姫に男として好かれてるって。
「私がいたところでは雪が降るクリスマスをホワイトクリスマスって言うの。雪って綺麗でしょ?」
「そうかなあ、寒いし外出れないじゃん。まあ外出てもすることないけど。そういうとこは姫と合わないけど、部屋から出ないですむのはいいかな。姫だったら楽しませてくれるんだろうし?」
冗談で言ったつもりなのに、姫は恥ずかしいのか「もう!」と頬を膨らませながら俺の肩を叩いた。
俺も年頃だし、女を知らない年ってわけじゃない。むさ苦しい男連中に囲まれてると女の肌が恋しくなるしね。
まあ姫に出会うまでの話だけど。
特別美人ってわけでもないけど、妙に後ろ髪引かれるというか。恋に落ちるって正にこういうことだろうな。あ、落ちるじゃなくて落とされる、かな。
「それはそうとクリスマスってやつを楽しもうよ。クリスマスは食事も豪勢なんだろうし、今から楽しみだなぁ。イザーク兄さんの食事は美味しいけど、姫の手料理には敵わないだろうからね」
「ご飯はもう作ってるの。だからお腹が減るように運動しようか?」
まさか俺が期待してる方じゃないよね、姫に限って。泥酔してもそんなことできないだろうし。
姫は思い切り、窓を全開にする。冷気とともに雪が入り込んで、せっかく部屋を暖めてるのに意味ないじゃん。なに考えてんの?
「ルーファス、外に出て雪合戦しよう」
「こんなくそ寒いのになに考えてんの? 俺は嫌──」
「クリスマスを楽しみたいんでしょう? 早く早く!」
クリスマスを知らない俺でもそれは嘘だってわかる。
嫌だと何度も言っているのに、無理矢理寒空の下に連れ出される。厚着しててもこれは無理でしょ。
「ルーファス、見て。これをね、こうするの」
姫は雪をかき集めて小さな玉を作ると、俺の肩にぶつけてきた。
雪玉はあっけなくも砕け散り、雪は俺のセーターに溶け込んでいく。
どう考えてもこれは恋人にするイタズラじゃないだろ。罰ゲームだ。
「姫さぁ、本当は俺のこと嫌いでしょ」
「どうして?」
「普通こんなこと恋人にする? 訳わかんねぇんだけど」
「ルーファスはゲーム好きでしょ? 私を雪まみれにしたらルーファスの勝ち。私がルーファスを雪まみれにしたら私の勝ち。どうせゲームするなら何かを賭けない? キスとか」
キス……ね。恥ずかしがってる姫にキスさせるのは悪くない提案だね。そういう提案なら喜んで乗ってあげるよ。
要は雪玉をお姫様に命中させたらいいだけ──俺は雪玉を姫に投げると、軽やかな身のこなしで俺の攻撃を回避した。
っておいおい……そんなのありなんだ?
「私が鈍臭い女と思ってルーファスの雪玉を躱さないとでも思った? ルーファスは甘いんだから」
「いや、それは姫でしょ」
ていうかさ、そもそもこの勝負、姫が勝ってメリットあるの? キスしてるのいっつも俺じゃん。
姫のせいで風邪引いたら、食事も着替えも全部手伝ってもらうから覚悟しときなよ。
あーあ、グズグズにされたのは俺の方かもね。姫には責任とってもらわなきゃね。