短編
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数か月ぶりにドライブデートを計画していたというのに、生憎の雨で光圀さんと自宅に籠ることになってしまった。
光圀さんは社長という立場上、暇な人ではないのでこうしてデートを重ねるのが難しい。
海外出張で何ヶ月も会えないのはしょっちゅうで、私は寂しい思いをしているけど、遊びではなくて仕事なんだからと自分に言い聞かせて、友達と遊んだり買い物に出掛けたりして気を紛らわせている。
寂しい思いを抱えていても、彼を責めることはできない。彼を選んだのは私なんだから。
「折角だから紅葉見て、美味いもんでも食いに行こうと思ったんだが、この天気じゃ今日は家にいるしかなさそうだな。巫女、悪いな」
「残念ですけど仕方ありませんよ。お家でゆっくり過ごすこともなかなかないから、私としてはこれはこれで嬉しいんですけどね」
休日に朝早く起床し、自分で作った料理を自分で食べるよりかはずっといい。
光圀さんは付き合いで美味しいものをたくさん食べているだろうけど、食通だから料理やお酒選びにはそれなりに気を遣っている。
そのお陰だろうか、料理の腕は少しは上がったんじゃないかと思っているんだけれど。
今日の昼食は秋刀魚の塩焼きに味噌汁と肉じゃが。
光圀さんが真っ昼間から日本酒を飲んでいるのが気になるけれど、休みだから見て見ない振りをした。
「秋はやっぱり秋刀魚だよな。この脂の乗りがたまんねえなあ」
「光圀さんは本当に美味しそうに食べてくれるから、作り甲斐がありますよ」
「好きな女の手料理ってのはどんなご馳走よりも美味いってもんだ。まあ贔屓抜きでお前の料理の腕も相当だと思うけどな」
「褒めたって何も出ないんですからね?」
高級料理ばかりを食している光圀さんにとって、庶民的な家庭料理はあまり食べないから美味しく感じるんだろうけれど、半分はお世辞のつもりでも恋人に褒めて貰えるのは嬉しいことだ。
また私の料理を食べて美味しいと言って欲しい。喜んで欲しいという気持ちが次へのやる気に繋がる。
「今日は黙っているつもりでしたけど、お酒のペース早いんじゃないですか? 若いと思ってても明日に差し支えるんですから」
「たまの休みなんだから許してくれよ。巫女、注いでくれるか?」
もう何杯目になるんだろう、と私は思いながら光圀さんの顔を見る。
口角を上げて笑う彼を見ていると、私は咎めることなどできなくてグラスにお酒を注ぐのだった。
光圀さんは社長という立場上、暇な人ではないのでこうしてデートを重ねるのが難しい。
海外出張で何ヶ月も会えないのはしょっちゅうで、私は寂しい思いをしているけど、遊びではなくて仕事なんだからと自分に言い聞かせて、友達と遊んだり買い物に出掛けたりして気を紛らわせている。
寂しい思いを抱えていても、彼を責めることはできない。彼を選んだのは私なんだから。
「折角だから紅葉見て、美味いもんでも食いに行こうと思ったんだが、この天気じゃ今日は家にいるしかなさそうだな。巫女、悪いな」
「残念ですけど仕方ありませんよ。お家でゆっくり過ごすこともなかなかないから、私としてはこれはこれで嬉しいんですけどね」
休日に朝早く起床し、自分で作った料理を自分で食べるよりかはずっといい。
光圀さんは付き合いで美味しいものをたくさん食べているだろうけど、食通だから料理やお酒選びにはそれなりに気を遣っている。
そのお陰だろうか、料理の腕は少しは上がったんじゃないかと思っているんだけれど。
今日の昼食は秋刀魚の塩焼きに味噌汁と肉じゃが。
光圀さんが真っ昼間から日本酒を飲んでいるのが気になるけれど、休みだから見て見ない振りをした。
「秋はやっぱり秋刀魚だよな。この脂の乗りがたまんねえなあ」
「光圀さんは本当に美味しそうに食べてくれるから、作り甲斐がありますよ」
「好きな女の手料理ってのはどんなご馳走よりも美味いってもんだ。まあ贔屓抜きでお前の料理の腕も相当だと思うけどな」
「褒めたって何も出ないんですからね?」
高級料理ばかりを食している光圀さんにとって、庶民的な家庭料理はあまり食べないから美味しく感じるんだろうけれど、半分はお世辞のつもりでも恋人に褒めて貰えるのは嬉しいことだ。
また私の料理を食べて美味しいと言って欲しい。喜んで欲しいという気持ちが次へのやる気に繋がる。
「今日は黙っているつもりでしたけど、お酒のペース早いんじゃないですか? 若いと思ってても明日に差し支えるんですから」
「たまの休みなんだから許してくれよ。巫女、注いでくれるか?」
もう何杯目になるんだろう、と私は思いながら光圀さんの顔を見る。
口角を上げて笑う彼を見ていると、私は咎めることなどできなくてグラスにお酒を注ぐのだった。