短編
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雑賀衆といえば、武術に加えて銃を駆使した戦術を用い、敵を翻弄する戦いを好む者が多いけれど、雑賀衆には忍者のようにくノ一なる存在のもの――女性――も存在する。
孫市さんの不在時、雑賀衆の屋敷に山賊が侵入するという事件が起きた。
この時雑賀衆の男達は出払っており、文字通り女性しかおらず、山賊は高を括っていた。
まさか思っていなかったのだろう。女性にひれ伏すことになろうとは――。
「雑賀衆の頭領はお留守のようだな。女しかいねぇとは話にならねぇが、ひと暴れしていくとするか」
「巫女、私の後ろにいて下さい。――話にならないかどうかは、戦ってから言いな!」
私を守るように山賊と対峙した雑賀衆の女性は銃を構えると思い切り引き金を引き、畳に風穴を開けた。
銃声で山賊の動きが一瞬止まり、その隙を見逃さず懐に入り込み、正拳突きをお見舞いすると、畳み掛けるように背負い投げでいとも簡単に山賊を圧倒するのだった。
畳の上に尻もちをついた山賊は雑賀衆の女性に銃口を向けられ、冷や汗を垂らしながら唾をごくりと飲み込む。
「話にならないのがあんただってことがわかったなら、あんたらの頭領に伝えな。次はあんたの首を貰う、ってね」
山賊は悔しそうな表情を浮かべながら、一目散に去っていった。
この時私は初めて雑賀衆には勇ましく強い女性もいるのだと思い知ったのだった。
孫市さんが雑賀衆を引き連れて戻り、今日の出来事を肴にしながら食卓を囲む。
孫市さんは申し訳なさそうに眉を下げた。
「今回の依頼は大規模だったからな。どうしても人手が必要だったんだ。とにかく皆が無事で何よりだ。留守にしちまって悪かったな」
「皆さんが守ってくれたので大丈夫です。だけど雑賀衆には女性でもこんなにも逞しくて勇ましい人達がいるなんて、すごいです」
「この国では強い者は生き、弱い者は強い者に食われますからね。生きるために選ばざるを得なかっただけですが――それを言うなら巫女だって式神と戦っていらっしゃるじゃありませんか」
確かに私は式神と戦っているけれど、私はいつも支援をする側で直接的に戦うのはツクヨミ男子だ。
そんな私に比べ、彼女達は身一つで自分よりも遥かに大柄な男を相手に怯むことなく戦っていた。本当に頭が下がる思いだ。
「あくまでも私はツクヨミ男子に力を与えているだけで、式神と戦ってはいないので戦っているとは言えないかと」
「いいえ、巫女はあの男を前にしても怯むことはありませんでした。普通は怯むとか怯えるとかするものですよ。やはり式神との戦闘経験が活きているのではないでしょうか」
そう言われると少しだけ救われたような気になる。
式神との戦闘はもちろんだけど、孫市さんの傍にいることで彼を妬む人達から命を狙われたことがあるから、体が危険なことに馴染もうとしているのかもしれない。
そこに恐怖が欠片もないと言えば嘘になるけれど――。
「頭領、こんなに若くて勇ましい女性が恋人で本当によかったですねえ。失礼を承知で申し上げますけど、頭領にはもったいないですよ」
「お前も言うねえ。俺の機嫌が悪けりゃ撃ってるところだが、確かに違いねえな。巫女以上の女に出会うことはもうないだろうな」
「孫市さん、酔ってるんじゃないんですか?」
並の量では酔うことのない孫市さんだけれど、雑賀衆の皆さんにまるで見せつけるようにストレートに言い放つ孫市さんの言葉に、私は彼が酔っているんじゃないかとすら思ってしまった。
私は頬が熱くなるのを誤魔化すために、お酒を一気に呷る。
「俺がなかなか酔わねえのは巫女様が一番よく知ってるだろ? 酒は入ってるが俺の嘘偽りない正直な気持ちだ。なんにせよお前が無事で本当によかった」
「あのー、すみません。頭領、私達もまだいるので、お熱いのはわかってますがそういうことは部屋に戻ってからにしてもらっていいですかね?」
「ち、違います。誤解で――」
雑賀衆の人達が孫市さんとの仲を認めてくれるのは嬉しいけれど、まっすぐに気持ちを伝えてくる孫市さんとからかい半分祝福してくれる雑賀衆の対応に、私の頬はますます熱くなるばかりだった。
孫市さんの不在時、雑賀衆の屋敷に山賊が侵入するという事件が起きた。
この時雑賀衆の男達は出払っており、文字通り女性しかおらず、山賊は高を括っていた。
まさか思っていなかったのだろう。女性にひれ伏すことになろうとは――。
「雑賀衆の頭領はお留守のようだな。女しかいねぇとは話にならねぇが、ひと暴れしていくとするか」
「巫女、私の後ろにいて下さい。――話にならないかどうかは、戦ってから言いな!」
私を守るように山賊と対峙した雑賀衆の女性は銃を構えると思い切り引き金を引き、畳に風穴を開けた。
銃声で山賊の動きが一瞬止まり、その隙を見逃さず懐に入り込み、正拳突きをお見舞いすると、畳み掛けるように背負い投げでいとも簡単に山賊を圧倒するのだった。
畳の上に尻もちをついた山賊は雑賀衆の女性に銃口を向けられ、冷や汗を垂らしながら唾をごくりと飲み込む。
「話にならないのがあんただってことがわかったなら、あんたらの頭領に伝えな。次はあんたの首を貰う、ってね」
山賊は悔しそうな表情を浮かべながら、一目散に去っていった。
この時私は初めて雑賀衆には勇ましく強い女性もいるのだと思い知ったのだった。
孫市さんが雑賀衆を引き連れて戻り、今日の出来事を肴にしながら食卓を囲む。
孫市さんは申し訳なさそうに眉を下げた。
「今回の依頼は大規模だったからな。どうしても人手が必要だったんだ。とにかく皆が無事で何よりだ。留守にしちまって悪かったな」
「皆さんが守ってくれたので大丈夫です。だけど雑賀衆には女性でもこんなにも逞しくて勇ましい人達がいるなんて、すごいです」
「この国では強い者は生き、弱い者は強い者に食われますからね。生きるために選ばざるを得なかっただけですが――それを言うなら巫女だって式神と戦っていらっしゃるじゃありませんか」
確かに私は式神と戦っているけれど、私はいつも支援をする側で直接的に戦うのはツクヨミ男子だ。
そんな私に比べ、彼女達は身一つで自分よりも遥かに大柄な男を相手に怯むことなく戦っていた。本当に頭が下がる思いだ。
「あくまでも私はツクヨミ男子に力を与えているだけで、式神と戦ってはいないので戦っているとは言えないかと」
「いいえ、巫女はあの男を前にしても怯むことはありませんでした。普通は怯むとか怯えるとかするものですよ。やはり式神との戦闘経験が活きているのではないでしょうか」
そう言われると少しだけ救われたような気になる。
式神との戦闘はもちろんだけど、孫市さんの傍にいることで彼を妬む人達から命を狙われたことがあるから、体が危険なことに馴染もうとしているのかもしれない。
そこに恐怖が欠片もないと言えば嘘になるけれど――。
「頭領、こんなに若くて勇ましい女性が恋人で本当によかったですねえ。失礼を承知で申し上げますけど、頭領にはもったいないですよ」
「お前も言うねえ。俺の機嫌が悪けりゃ撃ってるところだが、確かに違いねえな。巫女以上の女に出会うことはもうないだろうな」
「孫市さん、酔ってるんじゃないんですか?」
並の量では酔うことのない孫市さんだけれど、雑賀衆の皆さんにまるで見せつけるようにストレートに言い放つ孫市さんの言葉に、私は彼が酔っているんじゃないかとすら思ってしまった。
私は頬が熱くなるのを誤魔化すために、お酒を一気に呷る。
「俺がなかなか酔わねえのは巫女様が一番よく知ってるだろ? 酒は入ってるが俺の嘘偽りない正直な気持ちだ。なんにせよお前が無事で本当によかった」
「あのー、すみません。頭領、私達もまだいるので、お熱いのはわかってますがそういうことは部屋に戻ってからにしてもらっていいですかね?」
「ち、違います。誤解で――」
雑賀衆の人達が孫市さんとの仲を認めてくれるのは嬉しいけれど、まっすぐに気持ちを伝えてくる孫市さんとからかい半分祝福してくれる雑賀衆の対応に、私の頬はますます熱くなるばかりだった。
