ダグラス主 オフィスパロ
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窓の外を見ると傘の花がたくさん咲いている。
皆仕事を終えて恋人や仲間と食事を楽しんだり、家に帰っていくんだと羨望の眼差しで私は彼らを見送る。
私が務めている広告代理店・ドリームリングはお給料もいいし、福利厚生も手厚いけれど定時で帰れることは滅多になく、繁忙期になると社員の目はまるで死んだ魚みたいになってしまうくらいに忙しい。
入社してもう五年目なる。業務には慣れたけど、私は栄養ドリンクとサプリメントのお世話になるようになっていた。
やりがいは感じられるけど、休日は予定がなければ睡眠に充てることが多く、勿体ないと思いながらも体力が追いつかない。
このままの状態であと何年保つのだろうか、とすら思う。
「姫、お疲れ様。そろそろ休憩にしようか? 根の詰め過ぎはよくないからね」
人が入ってきたことにすら気付かなかったらしい。私はそれほどまでに疲れているのだろうか。
差し入れの入ったビニール袋を持った彼に声を掛けられ、私は笑顔で応える。
先輩でもあり、恋人でもあるダグラスさんは私の隣のオフィスチェアに腰掛けた。
「いつも有難うございます。あ、お弁当屋さんのカツサンドだ」
「あそこは夜遅くまで開いてるからね。もう社員には配ったから食べよう。何か食べないと集中が途切れるから」
残業の度にダグラスさんはこうして差し入れを用意してくれる。
そんなダグラスさんも一社員なのだけど、私とは格が違う。
年は私とそう変わらないのに、営業部長の肩書に相応しい結果を残していて、海外支店に栄転する噂も出たことがあるくらいだ。
本人は断ったらしいけれど、私が足を引っ張っているんじゃないかと思ってしまう。
断る条件として短期の海外出張は泣く泣く飲んだようだけれど。
私がいなければダグラスさんは海外で活躍できるんじゃないか──そんなことすら考えてしまう。
「俺が隣にいるのに、他の事を考えるなんていただけないな」
「営業部長」
「二人でいる時は名前で呼ぶって約束しただろう?」
この部屋に二人きりでも、社内に社員が沢山いるからにはオフモードにはなれない。
一部では私達が恋人であることを知っている人もいるけど、表沙汰にはしていない。
営業部長と平社員が交際していて、露見したら困るのはお互い様だし、何より彼の仕事を邪魔したくないし私も仕事自体は楽しいと感じているから現状を変化させたくない。
本当はもっと恋人らしいことをしたいな、と思うけどそれは贅沢な悩みというものだ。
「公私混同は……よくないです」
「君の生真面目な所は好きだけど、今は俺のことだけ考えて。ね?」
触れるだけの口付けだけで私の思考回路はめちゃくちゃにされる。
まだ仕事が残っているのに、社員が来るまでなら──と頭の中に住まう悪魔の誘惑に負けて、私はダグラスさんの口付けに応えるのだった。
皆仕事を終えて恋人や仲間と食事を楽しんだり、家に帰っていくんだと羨望の眼差しで私は彼らを見送る。
私が務めている広告代理店・ドリームリングはお給料もいいし、福利厚生も手厚いけれど定時で帰れることは滅多になく、繁忙期になると社員の目はまるで死んだ魚みたいになってしまうくらいに忙しい。
入社してもう五年目なる。業務には慣れたけど、私は栄養ドリンクとサプリメントのお世話になるようになっていた。
やりがいは感じられるけど、休日は予定がなければ睡眠に充てることが多く、勿体ないと思いながらも体力が追いつかない。
このままの状態であと何年保つのだろうか、とすら思う。
「姫、お疲れ様。そろそろ休憩にしようか? 根の詰め過ぎはよくないからね」
人が入ってきたことにすら気付かなかったらしい。私はそれほどまでに疲れているのだろうか。
差し入れの入ったビニール袋を持った彼に声を掛けられ、私は笑顔で応える。
先輩でもあり、恋人でもあるダグラスさんは私の隣のオフィスチェアに腰掛けた。
「いつも有難うございます。あ、お弁当屋さんのカツサンドだ」
「あそこは夜遅くまで開いてるからね。もう社員には配ったから食べよう。何か食べないと集中が途切れるから」
残業の度にダグラスさんはこうして差し入れを用意してくれる。
そんなダグラスさんも一社員なのだけど、私とは格が違う。
年は私とそう変わらないのに、営業部長の肩書に相応しい結果を残していて、海外支店に栄転する噂も出たことがあるくらいだ。
本人は断ったらしいけれど、私が足を引っ張っているんじゃないかと思ってしまう。
断る条件として短期の海外出張は泣く泣く飲んだようだけれど。
私がいなければダグラスさんは海外で活躍できるんじゃないか──そんなことすら考えてしまう。
「俺が隣にいるのに、他の事を考えるなんていただけないな」
「営業部長」
「二人でいる時は名前で呼ぶって約束しただろう?」
この部屋に二人きりでも、社内に社員が沢山いるからにはオフモードにはなれない。
一部では私達が恋人であることを知っている人もいるけど、表沙汰にはしていない。
営業部長と平社員が交際していて、露見したら困るのはお互い様だし、何より彼の仕事を邪魔したくないし私も仕事自体は楽しいと感じているから現状を変化させたくない。
本当はもっと恋人らしいことをしたいな、と思うけどそれは贅沢な悩みというものだ。
「公私混同は……よくないです」
「君の生真面目な所は好きだけど、今は俺のことだけ考えて。ね?」
触れるだけの口付けだけで私の思考回路はめちゃくちゃにされる。
まだ仕事が残っているのに、社員が来るまでなら──と頭の中に住まう悪魔の誘惑に負けて、私はダグラスさんの口付けに応えるのだった。
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