ダグラス主
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少女時代に夢見ていた結婚とはかけ離れた現実が待っていた。
誰が思っただろうか、屈強な海賊を束ねる王子様と恋愛して結婚するだなんて。
拍手喝采を浴びながらの誓いの口付けは神聖で鉛よりも重いように感じた。
いつもは余裕綽々のダグラスさんだけれど、何だか表情が固く見える。
結婚式ということもあり、緊張しているのかもしれない。
披露宴もクライマックスを迎えたところで、肝心の人が涙をハンカチで拭っている──ダグラスさんのお母様とナビだ。
「二人共、めでたい日に涙は似合いませんよ」
「だって、女手ひとつで育てたダグラスがようやく結婚に漕ぎ着けたのよ? 女はみんな安定を求めるもの。付き合った人数までは知らないけれど、この年齢まで結婚しなかったってことはそういうことでしょう? 相手はトロイメアのお姫様。正直な所、国の格なんてどうでもいいのよ。だけどあなた以上の花嫁なんているわけないもの。ナビ、そうよね」
「はい、交際が始まった当初は不安でしたが、とてもお似合いで今日という日を迎えられて嬉しく思います。うっうっ、すみません。涙が止まらなくて……」
二人の啜り泣く様はまるで通夜か葬式のようだ。
でもお母様がそう感じるのも無理はない。お父様を一途に想い、ダグラスさんを一人で育て上げ、アンキュラを守ってきたのだから。
お母様は強い女性だ。ダグラスさんの前ではいつも微笑みながらも独り泣いていたに違いない。真に頼れる者がいないことほど辛いことはない。
これからは私とお母様は家族になる。私がお母様を支えて差し上げたい。
「二人共、泣かないで。今日はめでたい日なんですから。いつか生まれてくる子のために長生きして下さいね。そして未熟な私をどうぞよろしくお願いします」
「姫、家族を大切にしてくれるのは嬉しいけど俺のことも頼むよ。夫として不甲斐ない所もあるだろうけど、君のいる場所に帰ってくると誓おう。さて──」
ブーケトスの時間だよ、とダグラスさんに促され、私はブーケを地上に向けて投げる。
ブーケをキャッチしたのは意外な人物で、ダグラスさんと顔を見合わせ微笑まずにはいられなかった。
「君が次の花嫁さんか。相手の男は誰なんだい? 早くその男をここに連れておいで」
そう、ブーケを受け取ったのはダグラスさんの相棒であるボニータだった。
彼女が恋人を紹介してくれることになるのはいつになるのだろう、と、思いを馳せるのだった。
誰が思っただろうか、屈強な海賊を束ねる王子様と恋愛して結婚するだなんて。
拍手喝采を浴びながらの誓いの口付けは神聖で鉛よりも重いように感じた。
いつもは余裕綽々のダグラスさんだけれど、何だか表情が固く見える。
結婚式ということもあり、緊張しているのかもしれない。
披露宴もクライマックスを迎えたところで、肝心の人が涙をハンカチで拭っている──ダグラスさんのお母様とナビだ。
「二人共、めでたい日に涙は似合いませんよ」
「だって、女手ひとつで育てたダグラスがようやく結婚に漕ぎ着けたのよ? 女はみんな安定を求めるもの。付き合った人数までは知らないけれど、この年齢まで結婚しなかったってことはそういうことでしょう? 相手はトロイメアのお姫様。正直な所、国の格なんてどうでもいいのよ。だけどあなた以上の花嫁なんているわけないもの。ナビ、そうよね」
「はい、交際が始まった当初は不安でしたが、とてもお似合いで今日という日を迎えられて嬉しく思います。うっうっ、すみません。涙が止まらなくて……」
二人の啜り泣く様はまるで通夜か葬式のようだ。
でもお母様がそう感じるのも無理はない。お父様を一途に想い、ダグラスさんを一人で育て上げ、アンキュラを守ってきたのだから。
お母様は強い女性だ。ダグラスさんの前ではいつも微笑みながらも独り泣いていたに違いない。真に頼れる者がいないことほど辛いことはない。
これからは私とお母様は家族になる。私がお母様を支えて差し上げたい。
「二人共、泣かないで。今日はめでたい日なんですから。いつか生まれてくる子のために長生きして下さいね。そして未熟な私をどうぞよろしくお願いします」
「姫、家族を大切にしてくれるのは嬉しいけど俺のことも頼むよ。夫として不甲斐ない所もあるだろうけど、君のいる場所に帰ってくると誓おう。さて──」
ブーケトスの時間だよ、とダグラスさんに促され、私はブーケを地上に向けて投げる。
ブーケをキャッチしたのは意外な人物で、ダグラスさんと顔を見合わせ微笑まずにはいられなかった。
「君が次の花嫁さんか。相手の男は誰なんだい? 早くその男をここに連れておいで」
そう、ブーケを受け取ったのはダグラスさんの相棒であるボニータだった。
彼女が恋人を紹介してくれることになるのはいつになるのだろう、と、思いを馳せるのだった。