ダグラス主 隠れ家
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「これでダグラスともっと仲良くなるのよ」
ボニータが人語を話すことはないけれど、菓子箱を私に渡しながら上目遣いで見てくる彼女の瞳がそう語っているような気がした。
その菓子箱の中身はスティック状のクッキーにチョコレートがコーティングしてあるお菓子で、私がいた世界ではそれを用いたゲームなんていうものがあったけれど。もしかして夢世界にもあるのだろうか。
「ボニータ、私がダグラスさんをゲームに誘うのがそもそも難易度が高いんだけど」
「お姫様方に呼ばれたような気がしたんだけど、気のせいかな?」
ダイニングルームにダグラスさんが現れると、お邪魔虫は消えるわねと言わんばかりにボニータが一目散に去っていく。
ダグラスさんの視線が私が持っている菓子箱に注がれていることに気付き、私は仕方なくそれを開封する。
「それ、確か以前まとめ買いしたものだね。色んな味があって食べ比べしたいから、って」
「はい、ダグラスさんがよければ一緒に食べますか? あの、それで、ゲームをしながら、なんですが……」
私はしどろもどろになりながら、彼をゲームへと誘う。
ゲーム自体に大した意味はない。だってこのゲームはキスをするためのもの。
だけどゲームやギャンブル、未知のものに対してダグラスさんが興味を示すのはわかりきっていたことだから。
ソファに座り、ゲームの説明を一通り終えると、クッキーの部分を彼が、チョコレートでコーティングされた部分を私が咥え、噛み砕きながらお互いに退路を崩してゆく。
次第に彼との距離が近付いてきて、エメラルドグリーンの瞳は私を捉える。
やっぱり見つめ合うのは恥ずかしくて私が目を閉じると、パキパキと音を立てながらお菓子を体内に取り込んでいく。
「!」
分かりきっていたことだけれど、とうとうダグラスさんの唇が私のそれに触れてしまう。
ゲームをして彼に勝つなんてまず無理な話だった。
「ごちそうさま、退路を奪ったのは俺だけど目を逸らしたのは君だから……俺の勝ちということでいいのかな?」
「私がダグラスさんの目に弱いこと知っててそれを言うんですから、ダグラスさんはずるいです」
「ゲームには報酬がつきものだからね。じゃあ勝者の俺にはどんなご褒美が貰えるのかな」
ダグラスさんはスティック状のお菓子を一本取り出し、私に差し出す。
それはもう一度ゲームがしたいのか、私の唇を味わいたいのかはわからないけれど。
「ダグラスさん、わかっていて言ってるんでしょう」
「わかるかい? キスをしたいがためにゲームに誘った君があまりに可愛くてね。キスがしたいならそう言えばいいのに。俺達は恋人同士なんだから」
私はダグラスさんみたいにストレートに言えないんです──そう告げると強引に唇を奪われた。
チョコレートの部分にはココアパウダーがかけられていて、ほんのり苦い甘さが口内に染みていく。
この人には本当に敵わない──そう思いながら私はダグラスさんの背中に手を添え、キスが与えてくれる幸福に身を委ねるのだった。
ボニータが人語を話すことはないけれど、菓子箱を私に渡しながら上目遣いで見てくる彼女の瞳がそう語っているような気がした。
その菓子箱の中身はスティック状のクッキーにチョコレートがコーティングしてあるお菓子で、私がいた世界ではそれを用いたゲームなんていうものがあったけれど。もしかして夢世界にもあるのだろうか。
「ボニータ、私がダグラスさんをゲームに誘うのがそもそも難易度が高いんだけど」
「お姫様方に呼ばれたような気がしたんだけど、気のせいかな?」
ダイニングルームにダグラスさんが現れると、お邪魔虫は消えるわねと言わんばかりにボニータが一目散に去っていく。
ダグラスさんの視線が私が持っている菓子箱に注がれていることに気付き、私は仕方なくそれを開封する。
「それ、確か以前まとめ買いしたものだね。色んな味があって食べ比べしたいから、って」
「はい、ダグラスさんがよければ一緒に食べますか? あの、それで、ゲームをしながら、なんですが……」
私はしどろもどろになりながら、彼をゲームへと誘う。
ゲーム自体に大した意味はない。だってこのゲームはキスをするためのもの。
だけどゲームやギャンブル、未知のものに対してダグラスさんが興味を示すのはわかりきっていたことだから。
ソファに座り、ゲームの説明を一通り終えると、クッキーの部分を彼が、チョコレートでコーティングされた部分を私が咥え、噛み砕きながらお互いに退路を崩してゆく。
次第に彼との距離が近付いてきて、エメラルドグリーンの瞳は私を捉える。
やっぱり見つめ合うのは恥ずかしくて私が目を閉じると、パキパキと音を立てながらお菓子を体内に取り込んでいく。
「!」
分かりきっていたことだけれど、とうとうダグラスさんの唇が私のそれに触れてしまう。
ゲームをして彼に勝つなんてまず無理な話だった。
「ごちそうさま、退路を奪ったのは俺だけど目を逸らしたのは君だから……俺の勝ちということでいいのかな?」
「私がダグラスさんの目に弱いこと知っててそれを言うんですから、ダグラスさんはずるいです」
「ゲームには報酬がつきものだからね。じゃあ勝者の俺にはどんなご褒美が貰えるのかな」
ダグラスさんはスティック状のお菓子を一本取り出し、私に差し出す。
それはもう一度ゲームがしたいのか、私の唇を味わいたいのかはわからないけれど。
「ダグラスさん、わかっていて言ってるんでしょう」
「わかるかい? キスをしたいがためにゲームに誘った君があまりに可愛くてね。キスがしたいならそう言えばいいのに。俺達は恋人同士なんだから」
私はダグラスさんみたいにストレートに言えないんです──そう告げると強引に唇を奪われた。
チョコレートの部分にはココアパウダーがかけられていて、ほんのり苦い甘さが口内に染みていく。
この人には本当に敵わない──そう思いながら私はダグラスさんの背中に手を添え、キスが与えてくれる幸福に身を委ねるのだった。