ダグラス主 隠れ家

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 がどうしても俺に着て欲しい服があると言うから、彼女の頼みならと二つ返事で快諾した。
 それは何とも愛くるしいペンギンの着ぐるみで、その姿を船員に見せようものなら皆アンキュラを去ってしまうんじゃないか、とすら思うほどだ。
 だが可愛い彼女の頼みだ。服ひとつでが喜んでくれるなら。
「やっぱり可愛い〜! これはですね、オズの国のオズワルドさんとリーヤさんが作られたものなんです。熱気を逃がす素材を使っているので見た目よりかは涼しいですし、内側にはファンが付いているので、風が入ってきて涼しいでしょう?」
「海賊に着ぐるみを着せた成人女性はきっとだけだと思うよ。着ぐるみを着た大人の海賊も俺だけだろうけどね」
 この服を着て凄んだって失笑されてしまうだろう。まあこの姿でいるのはこの隠れ家だけだ。
 ここは基本的に俺とだけなのだからその心配はない。
「ひとつ問題があるとすれば指……ですかね。ミトンのようになっているので細かい作業には向いていません」
「それはこれを脱いでからすればいいことだからね。それはそうと俺が君の願いを叶えた下心は伝わってるのかな?」
「下心、ですか?」
 君に望みがあるように、俺にだって望みがある。君の愛らしい姿を見たい、っていう望みがね。
 それに俺は海賊だ。君にも俺の望みを叶えてもらいたい──夏にぴったりの衣装を纏ってね。
「知らないなんて言わせないよ。着ぐるみを着たのは君に叶えてほしいことがあるからさ」
「叶えてほしいこと……?」
「船員が君に似合いそうな水着をくれたんだ。あ、もちろん女性が選んだものらしいから心配はしなくていいよ。アンキュラに来てるんだから海に行かずに帰るのはもったいないよ。たまにはと王子であることを忘れて英気を養わないと」
「ダグラスさん、それは私も指定された服を着るということですか? 着ぐるみならもちろん大賛成ですが」
「暑いのに着ぐるみで出歩いたら倒れてしまうだろう? ああ、ちょっと待ってて」
 俺はクローゼットにしまい込んだそれを取り出す。
 ハンガーに掛けられているのはダークバイオレットのタイサイドビキニ。
 色白なはどんな色でも似合うけど、陽射しの下なら尚一層輝きを増して見えそうだ。
 それを見せるとは甲高い声を上げてひたすらに首を横に振るけれど、時既に遅しというやつだよ。
 君がここにいる間は海に行く機会はいくらだってある。
 普段はブラウスに隠された白い肌。華奢な肩。
 そのすべてが眼前に晒されることを思い描けば、俺の頬は緩んでしまう。
 と海に行ったことは何度かあるが、いつもビキニではなくワンピースだったような気がする。
 普段の服装も肌の露出が少ないものが多い。スタイルに対す自信の表れか、それとも育った環境の違いか。
 どっちだって構わないけど、君は君自身が持つ魅力を知らなさすぎる。
 要は宝石と同じさ。加工された宝石は美しい。だけど原石の加工されていない、自然に育まれた宝石とはまた違った美しさがある。
 君がこれに気付いてくれるのはいつのことなんだろうね。
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