ダグラス主 隠れ家
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ダグラスさんが不在の隠れ家で、私とボニータは向かい合う形でダイニングテーブルに置かれたフルーツを食べながら他愛のない会話を楽しんでいた。
もちろんボニータに私の言葉が通じているかどうか定かではないけれど、話し相手になってくれる誰かがいてくれるのはとても嬉しいものだ。
今日はキスの日。スキンシップはいつもダグラスさんからしてくれるから、たまには私からダグラスさんに行動で気持ちを伝えたい。
ダグラスさんは女性の扱いに慣れていて、経験値は雲泥の差があるとわかってはいるのだけど。
それなりに男性との付き合いもあるけど、性質のせいか自分からキスやハグをするのは気恥ずかしくてダグラスさんが誘導してくれないとなかなかできない。
消極的な私とは違い、ダグラスさんはスマートに、且つ自然にアクションを起こすことができるから心の底から羨ましいと思ってしまう。
「ねぇ、ボニータ。今日はキスの日だから私からダグラスさんにしてみようと思うんだけど、どうしたら自然にできるかな?」
いつもは世話のかかる妹のように接しているけど、今日は相談する私が妹のようだった。
ボニータは器用にバナナの皮を剥きながら咀嚼して私の話を聞いているかのような仕草をする。
すると上目遣いて私を見るや、顔を近付けてきたと思ったら私の頬に口付けをしてきた。
まるで『こうするのよ』と言っているかのように。
「ボニータ! それができないから困ってるんだよぉ……」
「随分楽しそうだね。折角だから俺も混ぜてもらおうかな?」
ボニータとのやりとりに夢中で気が付かなかったのか、ダグラスさんが戻ってきたらしく、玄関先には彼の姿があった。
ああ、だめだ。私から仕掛けようと頭では考えていても、目の前に彼がいると練りに練った作戦は水泡に帰してしまう。
風で揺れる銀糸の髪。銀糸で縁取られたエメラルドグリーンの瞳。そして鼓膜を震わせる色香を含んだ低い声。
彼がもつものがすべて私を狂わせる。
だけど決めたからには動かなくちゃ。海賊の女なんだから、と私は勇気を振り絞る。
「ダグラスさん、実は今日はキスの日なんですよ」
「へぇ……じゃあ姫君からのキスが貰えるのかな」
私は咄嗟にボニータを抱き上げ、彼女の唇をダグラスさんの頬に押し当てた。
ダグラスさんは動じることなく口元に笑みを浮かべている。
『君からのキスは?』
何も言わずとも彼の瞳が語っている。そして私を試している。私の恋人は本当に狡いひとだ。
「さっきのはボニータのキスとしてカウントするよ。それじゃ君の番だよ。ほら、早く」
「だ、だって、ボニータが見てますよ?」
ボニータは私達の空気を察してか、私の腕から抜け出すと『後はお二人でどうぞ』と言わんばかりに走り去っていった。
私はもう覚悟を決めるしかなく、爪先立ちでダグラスさんの頬に口付けるとすぐに唇を離す。
ダグラスさんは私に目線を合わせるために膝を付き、私の腰を抱いて引き寄せた。
「随分控えめなキスだね。君らしくていいとは思うけど、俺は欲しいものも触れたいのも抑える性分じゃないから、もう少し甘いキスが欲しいな。俺達は恋人同士だろう? 恋人ならキスもハグも遠慮する必要なんてないんだから。ね?」
確かにそうかもしれない。ダグラスさんが傍にいる時は触れて、彼が傍にいることを確かめて安心したい。そこに私の気持ちを乗せて。
彼に背中を押される形で私はダグラスさんの唇に口付ける。
煙草の残り香とほんのり香るお酒の味のせいだろうか、彼の唇に触れただけなのに蕩けるように熱くて、私は一時の幸せに酔いしれるのだった。
もちろんボニータに私の言葉が通じているかどうか定かではないけれど、話し相手になってくれる誰かがいてくれるのはとても嬉しいものだ。
今日はキスの日。スキンシップはいつもダグラスさんからしてくれるから、たまには私からダグラスさんに行動で気持ちを伝えたい。
ダグラスさんは女性の扱いに慣れていて、経験値は雲泥の差があるとわかってはいるのだけど。
それなりに男性との付き合いもあるけど、性質のせいか自分からキスやハグをするのは気恥ずかしくてダグラスさんが誘導してくれないとなかなかできない。
消極的な私とは違い、ダグラスさんはスマートに、且つ自然にアクションを起こすことができるから心の底から羨ましいと思ってしまう。
「ねぇ、ボニータ。今日はキスの日だから私からダグラスさんにしてみようと思うんだけど、どうしたら自然にできるかな?」
いつもは世話のかかる妹のように接しているけど、今日は相談する私が妹のようだった。
ボニータは器用にバナナの皮を剥きながら咀嚼して私の話を聞いているかのような仕草をする。
すると上目遣いて私を見るや、顔を近付けてきたと思ったら私の頬に口付けをしてきた。
まるで『こうするのよ』と言っているかのように。
「ボニータ! それができないから困ってるんだよぉ……」
「随分楽しそうだね。折角だから俺も混ぜてもらおうかな?」
ボニータとのやりとりに夢中で気が付かなかったのか、ダグラスさんが戻ってきたらしく、玄関先には彼の姿があった。
ああ、だめだ。私から仕掛けようと頭では考えていても、目の前に彼がいると練りに練った作戦は水泡に帰してしまう。
風で揺れる銀糸の髪。銀糸で縁取られたエメラルドグリーンの瞳。そして鼓膜を震わせる色香を含んだ低い声。
彼がもつものがすべて私を狂わせる。
だけど決めたからには動かなくちゃ。海賊の女なんだから、と私は勇気を振り絞る。
「ダグラスさん、実は今日はキスの日なんですよ」
「へぇ……じゃあ姫君からのキスが貰えるのかな」
私は咄嗟にボニータを抱き上げ、彼女の唇をダグラスさんの頬に押し当てた。
ダグラスさんは動じることなく口元に笑みを浮かべている。
『君からのキスは?』
何も言わずとも彼の瞳が語っている。そして私を試している。私の恋人は本当に狡いひとだ。
「さっきのはボニータのキスとしてカウントするよ。それじゃ君の番だよ。ほら、早く」
「だ、だって、ボニータが見てますよ?」
ボニータは私達の空気を察してか、私の腕から抜け出すと『後はお二人でどうぞ』と言わんばかりに走り去っていった。
私はもう覚悟を決めるしかなく、爪先立ちでダグラスさんの頬に口付けるとすぐに唇を離す。
ダグラスさんは私に目線を合わせるために膝を付き、私の腰を抱いて引き寄せた。
「随分控えめなキスだね。君らしくていいとは思うけど、俺は欲しいものも触れたいのも抑える性分じゃないから、もう少し甘いキスが欲しいな。俺達は恋人同士だろう? 恋人ならキスもハグも遠慮する必要なんてないんだから。ね?」
確かにそうかもしれない。ダグラスさんが傍にいる時は触れて、彼が傍にいることを確かめて安心したい。そこに私の気持ちを乗せて。
彼に背中を押される形で私はダグラスさんの唇に口付ける。
煙草の残り香とほんのり香るお酒の味のせいだろうか、彼の唇に触れただけなのに蕩けるように熱くて、私は一時の幸せに酔いしれるのだった。