ダグラス主 隠れ家
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日頃の習慣が抜けないせいか、朝と呼ぶにはまだ早い時間に目が覚める。
俺の隣では化粧を落とした、あどけない寝顔をした姫が寝息を立てながら眠っていた。
休暇に彼女がアンキュラを訪れ、同じベッドで眠ることはあったが半年に一度くらいのペースであったし、それは俺にとって貴重な時間だった。
だがそれがここではない。好きな時に好きなだけ、彼女と会うことができる。それも王子や姫ではなく、ただの恋人として。
都会の喧騒を避けた孤島にひっそりと佇む、城と呼ぶには少し手狭な隠れ家。それが俺達の愛の巣だ。
俺は再度瞼を閉じ、眠りに身を委ねる。二度寝から目覚めると珈琲の香りを纏った姫が俺を起こしにやってきた。
「ダグラスさん、おはようございます。朝ご飯できましたよ」
「おはよう。でも姫君のキスがないと目覚められないな」
「普通は逆で王子様のキスで姫が目覚めるんですよ? 私も一緒に寝たのにお寝坊さんなんですから。食事が覚めちゃいますから起きて下さい。ね?」
俺の瞼に口付けを落とし、姫は寝室から去っていく。
姫の背中を見送り、体を起こすとさっと着替えを済ませてキッチンに向かった。
姫の言葉通りテーブルの上には料理が並べられていて、姫に促されるまま椅子に腰掛ける。
ハムと玉子を挟んだサンドイッチにサラダとソーセージが添えられ、パンプキンスープが入ったカップからは湯気が立ち上っていた。
デザートにはフルーツカクテル。姫は甘い物に目がないから、デザートは欠かしたことがない。
航海に出ている時は俺も料理はするが、日持ちのする保存食や魚料理くらいなもので、姫のように食事に彩りを考慮するなんて考えは全くない。
姫が作ってくれる料理は華やかで明るい気持ちにさせてくれるし、何より彼女がいるだけで食事をすることが楽しく感じるから不思議なものだ。
ここでの調理は分担が決まっていて、朝は姫が昼は俺がすることになっている。
夜はどちらかがしたり、二人で一緒に作ることもあるが細かいことは決められていない。
二人で食事の後片付けを終わらせ、俺は昼食の食材となる魚を釣りに外へ出かける。
出かけるといっても隠れ家を出れば海が広がっているから、出かけるとは言わないか。
昼食は肉料理を作ることもあるが魚料理が殆どだ。魚料理に固執するのは理由がある。
あまりにも大漁に釣れたある日、流石に料理法に困り、刺し身にしたところ姫が舌鼓を打っていたため、魚料理を作ることが増えた。
『姫、君から魚が好きだって聞いたことはなかったんだけど、肉より魚が好みだったのかい?』
『いえ、そういうわけではないんですけど、こんなに美味しい刺し身は初めてで。烏賊ってこんなに透明で甘いんですね。とっても美味しいです』
色っぽい顔も好きだけど、やっぱり君の笑顔が一番好きだ。
こんなことで君が笑顔になってくれるなら、作り甲斐があるというものだ。
俺が釣りをする傍らで、姫は微笑みながら俺を見守っていた。
俺の隣では化粧を落とした、あどけない寝顔をした姫が寝息を立てながら眠っていた。
休暇に彼女がアンキュラを訪れ、同じベッドで眠ることはあったが半年に一度くらいのペースであったし、それは俺にとって貴重な時間だった。
だがそれがここではない。好きな時に好きなだけ、彼女と会うことができる。それも王子や姫ではなく、ただの恋人として。
都会の喧騒を避けた孤島にひっそりと佇む、城と呼ぶには少し手狭な隠れ家。それが俺達の愛の巣だ。
俺は再度瞼を閉じ、眠りに身を委ねる。二度寝から目覚めると珈琲の香りを纏った姫が俺を起こしにやってきた。
「ダグラスさん、おはようございます。朝ご飯できましたよ」
「おはよう。でも姫君のキスがないと目覚められないな」
「普通は逆で王子様のキスで姫が目覚めるんですよ? 私も一緒に寝たのにお寝坊さんなんですから。食事が覚めちゃいますから起きて下さい。ね?」
俺の瞼に口付けを落とし、姫は寝室から去っていく。
姫の背中を見送り、体を起こすとさっと着替えを済ませてキッチンに向かった。
姫の言葉通りテーブルの上には料理が並べられていて、姫に促されるまま椅子に腰掛ける。
ハムと玉子を挟んだサンドイッチにサラダとソーセージが添えられ、パンプキンスープが入ったカップからは湯気が立ち上っていた。
デザートにはフルーツカクテル。姫は甘い物に目がないから、デザートは欠かしたことがない。
航海に出ている時は俺も料理はするが、日持ちのする保存食や魚料理くらいなもので、姫のように食事に彩りを考慮するなんて考えは全くない。
姫が作ってくれる料理は華やかで明るい気持ちにさせてくれるし、何より彼女がいるだけで食事をすることが楽しく感じるから不思議なものだ。
ここでの調理は分担が決まっていて、朝は姫が昼は俺がすることになっている。
夜はどちらかがしたり、二人で一緒に作ることもあるが細かいことは決められていない。
二人で食事の後片付けを終わらせ、俺は昼食の食材となる魚を釣りに外へ出かける。
出かけるといっても隠れ家を出れば海が広がっているから、出かけるとは言わないか。
昼食は肉料理を作ることもあるが魚料理が殆どだ。魚料理に固執するのは理由がある。
あまりにも大漁に釣れたある日、流石に料理法に困り、刺し身にしたところ姫が舌鼓を打っていたため、魚料理を作ることが増えた。
『姫、君から魚が好きだって聞いたことはなかったんだけど、肉より魚が好みだったのかい?』
『いえ、そういうわけではないんですけど、こんなに美味しい刺し身は初めてで。烏賊ってこんなに透明で甘いんですね。とっても美味しいです』
色っぽい顔も好きだけど、やっぱり君の笑顔が一番好きだ。
こんなことで君が笑顔になってくれるなら、作り甲斐があるというものだ。
俺が釣りをする傍らで、姫は微笑みながら俺を見守っていた。
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