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なんでもない日常。

ゲーニッツが仕事から帰ってくると家の前に林子がいるのを見つけた。
「あっ」と罰が悪そうな顔をする林子。
サッと右手を隠すも臭いで何を持っているかわかる。煙草の臭いが鼻についた。
「林子さん、煙草吸うのですか?」
あはは~とから笑いが出る。
「こっち引っ越す前は吸ってたんだけど、ゲニさんタバコ苦手かと思って我慢してたんだけど、ダメだった…」
灰を携帯灰皿に入れる。
「…苦手だよね?」
確認するように聞く。少し険しい顔つきになるゲーニッツ。
怖くなり慌てて煙草の火を消す。
「あまりいい思いはしないですね。」
顔は険しいまま。ですよねーと悲しい顔になる林子。
「あ、しかし止めてくださいとかは強要しませんので…」
悲しい顔をする林子を見て思わず出た言葉。
「じゃあ…」と顔を明るくするも、
「しかし、家の中や私の前で吸うのは控えて頂きたいです」
と、強めにゲーニッツが言う。
ふたたび淋しそうな顔になる林子。
「けして貴女自身を否定してるわけではなくその、仕事柄匂いがきついのはダメなだけなので」
「あ、そっかそっか。ごめんね」
「謝ることはありませんよ」
一応林子は右手を叩いてゲーニッツよる。
「約束は守りますので吸わせていただきますぅ」
そういい、二人で家の中に入った。
今夜のキスの味はちょっぴり苦い味がしたようだった。
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