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なんでもない日常。

深夜、ゲーニッツが目を覚ますと隣に寝ているはずの林子がいなかった。
心臓が掴まれた感覚になる。
起きて部屋を見渡すと小さな灯りが付いていた。
「林子さん…?」
声をかけると物音が聞こえた。安堵する。
灯りの方へ向かうと体育座りしてスナック菓子食べている林子がいた。
「あ、ごめん。起こしちゃった?ちょっとお腹空いちゃって…」
慌ててお菓子を片付けようとするがそれを見たゲーニッツは笑った。
「いなくて焦りましたが、怒ってませんし私もお腹空いちゃいましたね」
林子の隣に座りお菓子に手を伸ばす。
しばらくの間一緒にスナック菓子を食べた。気づくと袋の中が空っぽになっていた。
するとゲーニッツが台所からお菓子を何個か持ってきた。
「せっかくなので夜更かししませんか?たまにはこういうのもいいでしょう」
林子の表情が明るくなる。
「深夜のお菓子パーティーだね」
くすくすと笑う。それを見てゲーニッツも笑顔になる。
たわいのない話をたくさんした。
何色が好きだとか好きな動物は何とかご飯のおかずはこれが良いとか、本当にたわいのない事。でもお互いが全然相手の事を知らなかった事もわかりもっと好きになっていった。
気づけば時計は深夜2時を指していた。
あくびをひとつ、林子がするとつられてゲーニッツもあくびをした。
「もう寝ましょうか」
そうだね、と言い布団に入る。
布団に入ってもよほど先程の時間が楽しかったのか興奮気味に林子がゲーニッツに話しかける。
思わず林子を抱きしめ黙らせる。
「起きたらまたお話できるのですから今は寝ましょう」
ポンポンと頭を撫でる。
嬉しかったのかゲーニッツの胸に顔を埋める。
気が付くと寝息をが聞こえた。
そっと、ゲーニッツも目を閉じたのだった。
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