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新しい関係

引っ越しも落ち着き林子の荷物の荷解きをしていた。
案外荷物が少ない方だが大きめな段ボールが2個ほどあるのが気になりゲーニッツが触ろうとすると
「あー!!それは自分でやるので大丈夫でーす!!」と飛んでくる林子。
驚き手を引っ込めるゲーニッツ。
「これはいったい何が入ってるんですか?」
顔をポリポリかきながら恥ずかしそうにする林子。
「…趣味で絵を描いてるんです。これでも結構捨てた方なんですが昔に描いた絵とかお気に入りの絵とかは残したくてですね」
そういうとゲーニッツは驚き興味が出て気になってしまい、
「すごいですね。よければ見せて頂きたいです」
と食いつくが、林子は顔を大きく横に振る。
「恥ずかしいので見せられません…!見られたら恥ずか死ぬ…」
段ボールの前に立ちふさがる林子。
それを見て思わず笑いが零れるゲーニッツ。
「わー!!何笑ってるんですか?!見せませんよ!!」
更に笑う。
ふう、と息を吐き落ち着く。
「貴女といると楽しいですね。これからの暮らしも楽しみです」
林子の頭を撫でる。
林子は何がそんな可笑しかったのかわからずぽかんとしていた。
「絵は貴女が良いと思った時で構いません。興味はありますのでいつかは見せてくださいね」
そういうと「他の荷物もやりましょう」と言い他の荷物に手をかける。
ふと林子は部屋を見回した。
今まで『家』というのは居場所がない感じがして『家』の中にいるのが苦痛で教会に逃げていた。
だが今の、これからの『家』は好きな人がいる空間。嫌な物や記憶がない。真新しい『家』
前の『家』より過ごしやすいと思うと心が軽くなる感じがした。
思わずゲーニッツの背中に抱き着く林子。
「どうされましたか?」
「ありがとうございます…ゲーニッツさん。」
急にお礼を言われわからないゲーニッツ。
でも彼女が小さく震えているのがわかり何も言わずそのままでいた
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