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新しい関係

付き合い始めてお泊りの日から別れてからなぜか林子からの連絡も教会に来る事もなかった。
会えない日が続きどんどんゲーニッツの気持ちは焦燥感にかられた。
(なぜ急に連絡が途絶えてしまったのだろうか?彼女に会いたい…)
自分の連絡先は教えたが林子のは聞いてないのと家もどこにあるかわからず余計に待つのがつらかった。

その日は雨だった。教会での仕事が多少片付き教会の中で本を読んでいたら扉が開いた。
「…お久しぶりです。ゲーニッツさん」
ずぶ濡れの林子。傘もささずに来たのだろうとうかがえた。
久しぶりに会えた嬉しさより濡れてる彼女が心配になり駆け足で林子の前に行く。
「大丈夫ですか?すごく濡れてますが傘はどうされたんんですか?」
そういい林子の肩に手を回す。
「風邪を引いてしまいます。私の家に行きましょう。」
え、でも。と言ったが構わず手を引かれゲーニッツの家に向かった。
なんで今まで連絡がなかったのか教会に来なかったのか聞きたい所だったがそれより彼女に温める事に専念した。
バスタオルにくるまる林子。ゲーニッツがホットミルクを持ってきた。
「ありがとうございます…」
ホットミルクを飲む。ほんのり甘く蜂蜜が入ってるようだった。
落ち着いた途端、何かが切れたかのようにゲーニッツが林子に問い詰める。
「なぜ連絡くれなかったんですか?ずっと待っていました。お話聞かせてください。でなきゃ帰しません」
怒られてるんだって思ってしまって林子の顔が引きつる。
「ごめんなさい。あのお泊りの日家に帰ったらさすがにすごく怒られてしまって…彼氏が出来て家に泊まったなんて言ったら激怒されました…」
「外出も控えられて母親の気分伺っていつ、ゲーニッツさんをうちに呼んでもいいかタイミングを待ってたんです」
ああ、彼女にすごくひどい事をしてしまったと思うゲーニッツ。悲しげな顔になっていた。
それを見た林子は慌てて続けて喋った。
「でも今は母親からどんな彼氏かとか怒らずに聞いてくるぐらいには落ち着いて来てるのでもう大丈夫かと…!」
そういうと林子の頭を撫でるゲーニッツ。
「そんな状況だったんですね。すみません。怒るような言い方してしまって。しかしなぜ今日は傘もささず教会に来たのですか?」
あー…と情けない声を出し目を逸らす。
「家から抜け出してきた感じです。ゲーニッツさんにも直接会いたかったし簡単に家の事説明して家に来る日を決めたらすぐ帰るつもりだったので…」
「また遅くまでいたらせっかく気分よくしてるのにまた母親に怒られちゃうしね」
えへへ、と困った笑顔で言う林子。
思わず抱きしめるゲーニッツ。
「貴女の幸せを願うと言ったばかりに貴女に無理ばかりさせて、ひどい彼氏ですみません」
腕に力が入る。
苦しいよ~と声が漏れる。
「早めに日にち決めてしまいましょう。それと今日は家まで送らせてください。雨も降ってますし事前に家を知っときたいのもありますし」
そういい離れて親に顔を合わせる日を決め今日は早めに帰った。
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