タイムリミットは夜明けまで
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「ついに18時……」
峯との待ち合わせ1時間前。
結局服装はシンプルに白の膝下ワンピース。
髪も軽く巻いてメイクも完了している。
余命半年、濃いものにしてやるぞと意気込んだものだが、早速濃すぎて倒れてしまいそうだ。
峯がこちらの自宅まで迎えに来てくれる手はずになっているため、自分はもうすることがない。
1時間という時間が酷く長く感じた。
19時。
ぴったりに峯は自宅に訪れた。
「白のワンピース、よく似合いますね」
「本当ですか?ありがとうございます……!」
いきなり褒められ、リップサービスだと分かっていても顔は赤くなってしまう。
この感じだと、やはり峯は女性の扱い方が分かっているなと思ったり。
きっとこうして女性と食事をするのも慣れているんだろうなという思いを頑張って打ち消す。
今は純粋に楽しみたい。
それでも、少しは昨日服装に頭を抱えた甲斐があったと浮き足立ちながら、峯に促された助手席に座り込んだ。
それから少し車を走らせて、海辺までやって来た。
「わあ、夜の海も綺麗ですね」
車から降りて潮風を受ける。
生温い空気を少し冷たい風が撫でるのは気持ちが良い。
「喜んで頂けて何よりです」
そう言った峯は少し微笑んでいたように見えた。
一瞬すぎて瞬きをしたら元の表情だったけれど。
夜風にあたりながら少しだけ浜辺を歩き、それからオーシャンビューの高層ビルに案内された。
絢爛豪華な中にも大人の上質さがある空間に、少し圧倒されつつもそこでディナーを頂いた。
「……なんだかお礼をとのことだったのに、私ばかり良い思いをさせて頂いている気が……」
「良いんですよ、こうして貴方と食事出来ているのが私にとっては嬉しいのですから」
歯の浮くようなセリフをサラッと言いのける峯。
それでいて様になっているのだから、もうこちらは為す術もない。
「そんな……ところで峯さんは、なぜあの病院に?」
「あぁ、実は知り合いが入院していまして。その見舞いです」
「なるほど……」
「苗字さんは?」
「私は……実は、病気で入院していて。それでも、先日余命半年を宣告されて、残りの人生は外で過ごしたいと思って退院してきた所だったんです」
努めて明るく振舞おうとするが、自分の残り時間を口にすれば、必然的に暗いものになってしまう。
少し気まずい。
本当は余命半年だなんて重い話はしたくなかった。
案の定、峯は少し目を見開いて驚いているようだった。
「余命半年……そうですか……」
それから少し考え込んでいるようだった。
言わなければ良かったと少し後悔し始めていると。
「苗字さん」
「はい?」
改まったように峯さんは私を呼ぶ。
「今夜、私と寝てくれませんか」
「は、……え??」
心の整理よりも先に意味を理解した脳が、自動的に私の顔を赤くしていく。
今、自分は峯に口説かれているのだ。
「残りの半年、私に預けてほしいんです」
「えっ、と。あの」
「後悔はさせません」
「っ、……いいんですか?」
「勿論」
真っ直ぐに見据えられ、動揺も心拍数もさらに加速していく。
それでも突飛な提案に対し、否定することもできたのだが、結果的に気づけば承諾してしまっている自分がいた。
峯との待ち合わせ1時間前。
結局服装はシンプルに白の膝下ワンピース。
髪も軽く巻いてメイクも完了している。
余命半年、濃いものにしてやるぞと意気込んだものだが、早速濃すぎて倒れてしまいそうだ。
峯がこちらの自宅まで迎えに来てくれる手はずになっているため、自分はもうすることがない。
1時間という時間が酷く長く感じた。
19時。
ぴったりに峯は自宅に訪れた。
「白のワンピース、よく似合いますね」
「本当ですか?ありがとうございます……!」
いきなり褒められ、リップサービスだと分かっていても顔は赤くなってしまう。
この感じだと、やはり峯は女性の扱い方が分かっているなと思ったり。
きっとこうして女性と食事をするのも慣れているんだろうなという思いを頑張って打ち消す。
今は純粋に楽しみたい。
それでも、少しは昨日服装に頭を抱えた甲斐があったと浮き足立ちながら、峯に促された助手席に座り込んだ。
それから少し車を走らせて、海辺までやって来た。
「わあ、夜の海も綺麗ですね」
車から降りて潮風を受ける。
生温い空気を少し冷たい風が撫でるのは気持ちが良い。
「喜んで頂けて何よりです」
そう言った峯は少し微笑んでいたように見えた。
一瞬すぎて瞬きをしたら元の表情だったけれど。
夜風にあたりながら少しだけ浜辺を歩き、それからオーシャンビューの高層ビルに案内された。
絢爛豪華な中にも大人の上質さがある空間に、少し圧倒されつつもそこでディナーを頂いた。
「……なんだかお礼をとのことだったのに、私ばかり良い思いをさせて頂いている気が……」
「良いんですよ、こうして貴方と食事出来ているのが私にとっては嬉しいのですから」
歯の浮くようなセリフをサラッと言いのける峯。
それでいて様になっているのだから、もうこちらは為す術もない。
「そんな……ところで峯さんは、なぜあの病院に?」
「あぁ、実は知り合いが入院していまして。その見舞いです」
「なるほど……」
「苗字さんは?」
「私は……実は、病気で入院していて。それでも、先日余命半年を宣告されて、残りの人生は外で過ごしたいと思って退院してきた所だったんです」
努めて明るく振舞おうとするが、自分の残り時間を口にすれば、必然的に暗いものになってしまう。
少し気まずい。
本当は余命半年だなんて重い話はしたくなかった。
案の定、峯は少し目を見開いて驚いているようだった。
「余命半年……そうですか……」
それから少し考え込んでいるようだった。
言わなければ良かったと少し後悔し始めていると。
「苗字さん」
「はい?」
改まったように峯さんは私を呼ぶ。
「今夜、私と寝てくれませんか」
「は、……え??」
心の整理よりも先に意味を理解した脳が、自動的に私の顔を赤くしていく。
今、自分は峯に口説かれているのだ。
「残りの半年、私に預けてほしいんです」
「えっ、と。あの」
「後悔はさせません」
「っ、……いいんですか?」
「勿論」
真っ直ぐに見据えられ、動揺も心拍数もさらに加速していく。
それでも突飛な提案に対し、否定することもできたのだが、結果的に気づけば承諾してしまっている自分がいた。