2話
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「なるほど、じゃあ取り敢えず住む所と仕事探しのお手伝いをすれば良いんですね」
「そうですね、大の大人がなんかすみません。」
時間を遡る事数十分前
なんだかんだあり、やっと全員の自己紹介も終わりそもそもの依頼の話をすることになった。
「で?依頼内容ってのは?」
「あ、はい!あの……」
銀時の目に見惚れて少し惚けていたのを誤魔化す様に愛実は慌てて話し始めた。
田舎から江戸に来たのはかれこれ1ヶ月前の事
住む所と仕事をトントン拍子見つけ、江戸での暮らしが順調に進んでいたのは最初だけ。
なんの不運か仕事先の団子屋の主人が体調を崩してしまいしばらくお店を閉める事になってしまったのだ。
元々老夫婦が2人でしていたお店だったのだが、愛実に対してはこんな事になって本当にすまないとこちらが申し訳なくなるくらいに謝ってくれた。
そこからまさかの住み始めたアパートが住民のタバコの不始末で全焼。
最低限の荷物はなんとかなったが殆どが燃えて無くなってしまった。
そしてその後仕事と住む場所を探すも住所不定では仕事が見つからず、住む場所も仕事が無い者にはと苦い反応でほとほと困り果てていた
そこにアパートが全焼した元大家から万事屋という所を訪ねるといいとなんでも屋だからきっとなんとかしてくれるということで藁にもすがる思いで万事屋を見つけ出したのだった。
一通り話し終えた愛実に対し万事屋の面々は全員同じ事を思っていた。
なんて運が悪いのか…と
そこまで立て続けに悪い事が起こるのも珍しい。
「と、所で今まではどうしてたんですか?」
少し顔を引きつらせながら新八は今の状況を尋ねた
「ええ、幸いキャッシュカードは無事だったので取り敢えず今は貯金を崩して1週間ほどマンガ喫茶に寝泊まりしてる状態です。」
「おいおい、若い娘がなんでまた…」
「ホテルだと高いですし、マンガ喫茶ならネットが使えるんで仕事も探しやすいかなと…」
そこまでの話を聞いて銀時は1つ浮かんだ質問を口にした。
「田舎の家に帰ろうとは思わなかったのか?事情が事情だしよぉ」
「確かにそうですね。一度ご実家に帰るってのも1つの手なのではないでしょうか?」
銀時と同じ事を思ったのか新八もその意見に同意したが、それを聞いた愛実の顔はあまりいい表情ではなかった。
「私も一度はそう思ったんですけど、でもやっぱりそれは出来ないなって……」
少し言い辛そうにしながらも、こちらを見つめてくる眼差しからは何か迷っているようなものを感じた。
それを見ながら銀時は声だけは興味無さげに「ふぅん」と返した。
と、ここで冒頭に戻る。
3人が黙り込む中、1人ずっと酢昆布を食べながら話を聞いていた神楽が名案だと言わんばかりに身を乗り出しながら愛実を見て言った。
「ここに住めばいいネ!」
その言葉に他の3人は目を見開いて驚く。
特に愛実は突拍子も無い言葉に「へ?」と間抜けな顔をしていた。
神楽は愛実が座っているソファの隣に移動すると銀時と新八に向きあった。
「ねぇ銀ちゃん!いいでショ〜?」
「オイ神楽ぁ、また何勝手な事言って…っ!」
「そうすれば全て解決ヨ!住む場所さえ見つかれば仕事はすぐ見つかるアル!」
「でも愛実さんみたいな女性が銀さんもいるこの家に一緒に住むなんてなんかあったらっ!」
「その点はこの私がしっかり銀ちゃんを見張るネ!愛実には指一本触れさせないアル!だから問題無いネ!」
「テメェらなっ!オレの意見も聞けよ!ここの家主はオレなの!後っ、どんだけがっついてると思われてんだオレは!どんだけ信用ねぇーんだよ!!さっきもこのやり取りしたわぁ!!いい加減飽きろよっっ!」
神楽の案を聞いてダルそうに銀時が答えようとするとそれを遮って1人得意げに神楽は話した。
それを聞いていた新八も神楽の案は少し無理があるのではと反論するが、それも神楽は自信満々で答えた。
遮られた事と新八と神楽の言い草にいい加減腹が立った銀時は立ち上がりながら怒鳴った。
それを見て新八も「まぁまぁ」と言いながら立ち上がる。
そんな風にまた言い争いが始まる中、当の本人は少し圧倒されながらも冷静に神楽の言っていた事を考えていた。
確かに住む場所さえ見つけられれば仕事はすぐにでも見つかりそうではあったのだ。
何より無邪気な神楽の案は少なからず都会に出てきて心細くなっていた愛実には嬉しいと思えた。
…とここで、当事者である愛実の意見を聞くべきだと主張した新八によって3人の言い争いは終わり、3人は視線を愛実へと送っていた。
立ち上がっていた3人に見下ろされる形になっていた愛実は
「えっと…私はすごく助かります。それに神楽ちゃんがそう言ってくれてなんか嬉しかったですし……」
座ったまま3人の視線を受け、咄嗟に思っていた事を口にしてすぐに後悔した。
こんな事を言っては銀時達は断り辛いだろう。
すぐにこっちから断ろうと口を開く前に神楽が愛実の隣に座り直しながら質問してきた。
「愛実はご飯作れるアルか?卵焼き黒く無いやつとか!」
「へ?卵焼き?う、ぅん。黒いのってなんのことかわかんないけど一応料理は人並みにできると思うよ?」
その言葉を聞いて満足したらしい神楽は未だ面倒そうな顔で突っ立っていた銀時の顔をみる。
それを見ていた新八も神楽の言いたい事がなんとなくわかり、隣にいる銀時に視線を送っていた
そしてなんの質問をされたのかもよくわかっていなかったが神楽と新八が銀時を見て何かを待っているようだったので愛実も思わず銀時を見つめている。
そんな3人からの視線を一身に受けている本人は「はぁ〜」とため息を吐きながらソファにドカっと座り直すと頭をボリボリかきながら愛実の方を見て言った。
「卵焼きは甘くしてくれよ」
「へ?……実家の卵焼きは甘いものでしたけど……」
てっきり神楽の提案の答えが返ってくるのかと思いきや、想像していなかった言葉に愛実はきょとんとした顔をしながら銀時を見ていた。
おそらくまだ伝わっていないのだろうと銀時は面倒くさそうに視線をそらしながら
「だぁから、いいっつってんの!居候が1人増えようがそんなに変わんねぇしな。その代わり朝飯当番は愛実な!卵焼きはオレうんと甘いのじゃねーと認めないかんな!」
「え?えぇっと、いいんですか?ここに住んでも……?」
「しょうがねぇだろ?いつまで若い娘マン喫に居させる訳にもいかねぇしな。……いいんじゃねーの?ここに住めば。」
全体的にぶっきら棒な言い草だったが、自分を心配してくれている様子が見ていてわかった。
その事に心のどこからか暖かいものが溢れてくる。
「やったネ愛実!これでここにも女子が増えて私嬉しいアル!!一緒にお風呂入ったりしたいヨ!」
「愛実さん良かったですね。布団とか日用品とか用意しないとですね!」
「オウオウ、はしゃぎやがってこれだからガキは。……ま、これからよろしく頼むわ。ようこそ万事屋へ」
いいんだろうかと思いながらもニコニコと楽しそうに話す神楽や座り直してこちらを見ながら必要な物の話をする新八、めんどくさそうにしながらもよろしくと言ってくれた銀時。
あぁ、ここの人達は本当に優しい人達なんだなぁとここ1ヶ月起きた不運がこの3人に出会えて良かったとすら思える。
そう思いながら、3人の顔を見渡し今日来て1番の笑顔で答えた。
「これからよろしくお願いします!!」
.
「そうですね、大の大人がなんかすみません。」
時間を遡る事数十分前
なんだかんだあり、やっと全員の自己紹介も終わりそもそもの依頼の話をすることになった。
「で?依頼内容ってのは?」
「あ、はい!あの……」
銀時の目に見惚れて少し惚けていたのを誤魔化す様に愛実は慌てて話し始めた。
田舎から江戸に来たのはかれこれ1ヶ月前の事
住む所と仕事をトントン拍子見つけ、江戸での暮らしが順調に進んでいたのは最初だけ。
なんの不運か仕事先の団子屋の主人が体調を崩してしまいしばらくお店を閉める事になってしまったのだ。
元々老夫婦が2人でしていたお店だったのだが、愛実に対してはこんな事になって本当にすまないとこちらが申し訳なくなるくらいに謝ってくれた。
そこからまさかの住み始めたアパートが住民のタバコの不始末で全焼。
最低限の荷物はなんとかなったが殆どが燃えて無くなってしまった。
そしてその後仕事と住む場所を探すも住所不定では仕事が見つからず、住む場所も仕事が無い者にはと苦い反応でほとほと困り果てていた
そこにアパートが全焼した元大家から万事屋という所を訪ねるといいとなんでも屋だからきっとなんとかしてくれるということで藁にもすがる思いで万事屋を見つけ出したのだった。
一通り話し終えた愛実に対し万事屋の面々は全員同じ事を思っていた。
なんて運が悪いのか…と
そこまで立て続けに悪い事が起こるのも珍しい。
「と、所で今まではどうしてたんですか?」
少し顔を引きつらせながら新八は今の状況を尋ねた
「ええ、幸いキャッシュカードは無事だったので取り敢えず今は貯金を崩して1週間ほどマンガ喫茶に寝泊まりしてる状態です。」
「おいおい、若い娘がなんでまた…」
「ホテルだと高いですし、マンガ喫茶ならネットが使えるんで仕事も探しやすいかなと…」
そこまでの話を聞いて銀時は1つ浮かんだ質問を口にした。
「田舎の家に帰ろうとは思わなかったのか?事情が事情だしよぉ」
「確かにそうですね。一度ご実家に帰るってのも1つの手なのではないでしょうか?」
銀時と同じ事を思ったのか新八もその意見に同意したが、それを聞いた愛実の顔はあまりいい表情ではなかった。
「私も一度はそう思ったんですけど、でもやっぱりそれは出来ないなって……」
少し言い辛そうにしながらも、こちらを見つめてくる眼差しからは何か迷っているようなものを感じた。
それを見ながら銀時は声だけは興味無さげに「ふぅん」と返した。
と、ここで冒頭に戻る。
3人が黙り込む中、1人ずっと酢昆布を食べながら話を聞いていた神楽が名案だと言わんばかりに身を乗り出しながら愛実を見て言った。
「ここに住めばいいネ!」
その言葉に他の3人は目を見開いて驚く。
特に愛実は突拍子も無い言葉に「へ?」と間抜けな顔をしていた。
神楽は愛実が座っているソファの隣に移動すると銀時と新八に向きあった。
「ねぇ銀ちゃん!いいでショ〜?」
「オイ神楽ぁ、また何勝手な事言って…っ!」
「そうすれば全て解決ヨ!住む場所さえ見つかれば仕事はすぐ見つかるアル!」
「でも愛実さんみたいな女性が銀さんもいるこの家に一緒に住むなんてなんかあったらっ!」
「その点はこの私がしっかり銀ちゃんを見張るネ!愛実には指一本触れさせないアル!だから問題無いネ!」
「テメェらなっ!オレの意見も聞けよ!ここの家主はオレなの!後っ、どんだけがっついてると思われてんだオレは!どんだけ信用ねぇーんだよ!!さっきもこのやり取りしたわぁ!!いい加減飽きろよっっ!」
神楽の案を聞いてダルそうに銀時が答えようとするとそれを遮って1人得意げに神楽は話した。
それを聞いていた新八も神楽の案は少し無理があるのではと反論するが、それも神楽は自信満々で答えた。
遮られた事と新八と神楽の言い草にいい加減腹が立った銀時は立ち上がりながら怒鳴った。
それを見て新八も「まぁまぁ」と言いながら立ち上がる。
そんな風にまた言い争いが始まる中、当の本人は少し圧倒されながらも冷静に神楽の言っていた事を考えていた。
確かに住む場所さえ見つけられれば仕事はすぐにでも見つかりそうではあったのだ。
何より無邪気な神楽の案は少なからず都会に出てきて心細くなっていた愛実には嬉しいと思えた。
…とここで、当事者である愛実の意見を聞くべきだと主張した新八によって3人の言い争いは終わり、3人は視線を愛実へと送っていた。
立ち上がっていた3人に見下ろされる形になっていた愛実は
「えっと…私はすごく助かります。それに神楽ちゃんがそう言ってくれてなんか嬉しかったですし……」
座ったまま3人の視線を受け、咄嗟に思っていた事を口にしてすぐに後悔した。
こんな事を言っては銀時達は断り辛いだろう。
すぐにこっちから断ろうと口を開く前に神楽が愛実の隣に座り直しながら質問してきた。
「愛実はご飯作れるアルか?卵焼き黒く無いやつとか!」
「へ?卵焼き?う、ぅん。黒いのってなんのことかわかんないけど一応料理は人並みにできると思うよ?」
その言葉を聞いて満足したらしい神楽は未だ面倒そうな顔で突っ立っていた銀時の顔をみる。
それを見ていた新八も神楽の言いたい事がなんとなくわかり、隣にいる銀時に視線を送っていた
そしてなんの質問をされたのかもよくわかっていなかったが神楽と新八が銀時を見て何かを待っているようだったので愛実も思わず銀時を見つめている。
そんな3人からの視線を一身に受けている本人は「はぁ〜」とため息を吐きながらソファにドカっと座り直すと頭をボリボリかきながら愛実の方を見て言った。
「卵焼きは甘くしてくれよ」
「へ?……実家の卵焼きは甘いものでしたけど……」
てっきり神楽の提案の答えが返ってくるのかと思いきや、想像していなかった言葉に愛実はきょとんとした顔をしながら銀時を見ていた。
おそらくまだ伝わっていないのだろうと銀時は面倒くさそうに視線をそらしながら
「だぁから、いいっつってんの!居候が1人増えようがそんなに変わんねぇしな。その代わり朝飯当番は愛実な!卵焼きはオレうんと甘いのじゃねーと認めないかんな!」
「え?えぇっと、いいんですか?ここに住んでも……?」
「しょうがねぇだろ?いつまで若い娘マン喫に居させる訳にもいかねぇしな。……いいんじゃねーの?ここに住めば。」
全体的にぶっきら棒な言い草だったが、自分を心配してくれている様子が見ていてわかった。
その事に心のどこからか暖かいものが溢れてくる。
「やったネ愛実!これでここにも女子が増えて私嬉しいアル!!一緒にお風呂入ったりしたいヨ!」
「愛実さん良かったですね。布団とか日用品とか用意しないとですね!」
「オウオウ、はしゃぎやがってこれだからガキは。……ま、これからよろしく頼むわ。ようこそ万事屋へ」
いいんだろうかと思いながらもニコニコと楽しそうに話す神楽や座り直してこちらを見ながら必要な物の話をする新八、めんどくさそうにしながらもよろしくと言ってくれた銀時。
あぁ、ここの人達は本当に優しい人達なんだなぁとここ1ヶ月起きた不運がこの3人に出会えて良かったとすら思える。
そう思いながら、3人の顔を見渡し今日来て1番の笑顔で答えた。
「これからよろしくお願いします!!」
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