…
｢あ！トリートメント買わないと！｣
｢どうせトリートメントはフィーノやろ。お前安いからって中国人なみに爆買いしてたもんなぁ｣
｢えっ｣
｢そんでこの後はボディソープを買うねん。そうホワイトムスクの香り入ってるやつ。俺も使っとるからまだ家にあるでー｣
｢バレてる…｣
｢でな、日用品買うたらお菓子コーナー行ってチョコレートとプリキュアグミ買うねん。グミ別に好きとちゃうのにプリキュアやから買うねん。お子様やわ〜｣
｢…｣
｢で家帰ってお菓子食べて『明日からダイエットするね』がお決まり。もうゆみちゃん、食べた分走り。まあ女の子はぽっちゃりしてる方がかわええけどな。｣
｢あははは！もう私の事全部おみとおしじゃない！そういう吾朗はおにぎりせんべい食べてテレビ見ながら『最近のテレビはおもんないなあ』でしょ？｣
｢まあな…ってお前…記憶…｣
｢本当だ…｣
｢ゆっくりでええで。｣
｢不思議。思い出したら心が暖かくなる。もっと吾朗といたい。そう思うよ私。私…こっちの世界で不安だったけど、こっちに帰ってきてよかった！吾朗にまた会えて幸せ！｣
何の躊躇もなくゆみの笑顔が花火のように咲く。思わず人目が有るのにゆみを抱きしめた。
｢『おかえり、ゆみ』｣
｢『ただいま、吾朗』｣