｢ゆみはお前には譲らん｣
｢言われなくても知ってます。｣
｢お前の気持ちを教えてくれ。｣
話そうとするサンドラの全身に力が入る。意を決してサンドラは言った。
｢ゆみのこと愛してます。でも親父のことも尊敬してます。だから親父からゆみを奪うことはできない。どうこうするわけでもないです。ただ友人として傍にいたいです。｣
バチンッ
｢痛！？何するんですか親父！デコピンといえど暴力反対です！｣
｢そのせりふ暴力団のお前がいう？お前の本心はこうやろ、『絶対に親父から奪ってやる』てな感じやろ？あー怖！アメリカンマフィアはジャパニーズヤクザより怖いわほんま｣
｢否定はできません｣
｢俺はな、『子』であるお前らのことも大切に思ってるんやで。｣
『親父』というよりも『お父さん』のような声色で真島は言った。
｢親父…でも何よりゆみは女性に興味ないと思うからそんな関係にはなりませんよ。彼女が女もいけたらよかったんですけどね。｣
寂しそうにサンドラがまつげを伏せる。
｢あ、そっか根本的な問題やな。｣
｢恋人にはなれないけど…私は私なりの方法で彼女に愛を注ぎます。｣
｢程々にな。｣
｢ええ。女抱きにソープいってくる。女で失ったものは女で埋めないと｣
｢程々に…｣
｢むちゃくちゃにしてくる｣
｢アメリカンマフィア怖いわ｣