…
｢はぁ〜。うぃっく｣
｢サンドラさん、飲み過ぎじゃないですか？もうべろべろですよ｣
隣に座るキャバ嬢が本気で心配する。
｢そうですよ〜｣
｢大丈夫よ。金ならあるから…うぃっく…｣
｢お金の問題じゃないですよ…いつも以上にペース早いですけど何かあったんですか？｣
｢聞いてくれる？｣
キャバクラ店サンドリヨンではいつも以上にえぐい飲み方をする女ヤクザの姿があった。真島組の家紋をスーツにつけて艶やかなブロンドが印象的だった。傍から見たらただのゴージャスな美女だが、酒癖が悪くまた女癖も悪い。嬢に数えきれないほどのおさわりをしてきたが、サンドラ自身が女性なので多めに見てもらってる状態だ。
｢私が好きな人が自分の親父の恋人だったの…死んじゃいたい…｣
｢それは複雑ですね｣
｢でも略奪すればいいじゃない？｣
｢ちょっと美奈子…あんたなんてこと言うのよ…ごめんなさいねサンドラさん変なこと言っちゃって｣
｢いいのよ。私は確かになんでもやっちゃうアメリカンマフィアよ。今はヤクザだけど。なんでもやっちゃうけど親父には一応感謝してるし尊敬してるの。だからゆみを奪おうなんて思わないわ。でもね、ゆみを見る度この可愛い子を独り占めにしたいとおもうのよ。毎日葛藤してる感じ。今までなら乱暴な手段も採ってきたけど、彼女のこと、本気で好きだから何もできないの。｣