｢すごく美味しいです。｣
｢よかったわ。｣
恋人が遠慮がちに喋る様子をみて俺は申し訳ない気持ちになった。こんな風にしたのは俺の責任や。すまん。ゆみ…
｢…あの…そんなに見つめられると照れちゃいます｣
どうやら思い詰めた顔でゆみをまじまじと見ていたらしい。
｢すまんな。俺はお前が帰ってきてくれたんがうれしくてな。ついつい穴が空くほど見てしまうわ。｣
｢すみません。でも私は真島さんとの記憶…まるでないんです。それに私は違う世界からきた人間だし…あなたの気持ちに応えられるかどうか…｣
｢傍にいてくれるたけでええんやで。｣
何もしなくてそのままで構わない。嘘じゃない。
｢ううっ…どうしてそんなに優しいの？私なんて誰にも必要とされてない人間だったのに…｣
ゆみは泣き出した。
｢前の世界は辛かったんか？｣
｢うん。職場でいじめられてた。｣
｢そうか。わかった。そいつら俺が殺したるから安心せえ。｣
｢えっ…えっ…？｣
｢お前を守るためならなんでもする｣
｢ちょっと目が本気なんだけど？！落ち着いて、真島さん！｣
｢俺の愛は海より深いんや｣