ジルドレイのように悪魔に生贄を捧げる気持ちと同じように極道として俺は「シノギ」に邁進した。意味はわかるよな？そう、俺はたくさんの汚れ仕事に手を出しその犠牲者を神に捧げた。盲目的に自分の心を救うためだった。犠牲者は全てが工藤組に生きる人間達だった。俺は贄を神に捧げ懺悔し許しを乞うた。
「神様、愛する人をかえしてください」と。

はっきりと神は宣った。
「去れ、罪人よ」

それ以来、俺は女と酒に溺れた。1人のちっぽけな人間として癒され、満たされたかった。しかし俺は満たされるどころか渇きは増し、悪夢と幻に囚われ自己嫌悪の亡霊が乗り移った。全てが虚像、掴んだものは幻、見える景色はひどく歪んでいた。ゆみ、お前への愛だけは真実やってことは理解してくれ。嘘と悪夢に染まった俺やが、お前だけは無垢に愛してる。失った今もなお。