…
翌日、真島組事務所
｢よいしょっと｣
｢さ、サンドラ！｣
裏切り者の帰還に南雲はびっくりした。
｢帰ったわよ不細工共｣
｢サンドラ…｣
苦々しい顔で真島はサンドラに視線を向ける。
｢私ね、最初は確かに親父を裏切ろうとしてたの。でもね、やっぱり裏切れなかった。親父のこと信頼してたし、尊敬してたのよ。それにゆみが悲しむ顔が浮かんで。だから途中からはスパイとして工藤組に籍を置いてたの。｣
｢そうか…｣
｢親父…本当に申し訳ありませんでした。工藤組の残党がまた不穏な動きを見せないように奴らの動きを記録しました。もう二度とあんな悲しい事件が起こらないように。今までありがとうございました｣
｢待て。どこ行くんやお前｣
｢アメリカに帰ります｣